「関大一高、2連覇!!」
11月13日(土)に行われた
「第89回全国高校サッカー選手権・大阪大会」の決勝。
大会連覇を狙う関西大学第一高校と、初の決勝進出で初優勝を狙う阪南大学高校との顔合わせになりました。
前半、流れるような攻撃から2点を奪った関大一高。後半は阪南大高の怒涛の攻撃の前に1点を失ったものの、そのまま関大一高が逃げ切り2−1で勝利。見事、大会2連覇を飾りました。
前回88回大会の国立競技場での準決勝。
関大一高と青森山田の一戦に惜しくもPK戦で破れたとはいえ、後半残り1分からの2得点で同点に追いついた関大一高の粘りは全国のサッカーファンをテレビの前に釘付けにし、高校サッカー史に残る名勝負となりました。
その関大一高の佐野監督が「国立へ忘れ物を取りに行く!!」と意気込んで臨んだ今シーズンでしたが、チームの状態は思うように進んで行きませんでした。
主力選手の相次ぐ故障離脱で、常に前向きの佐野監督でさえ「もう間に合わないかもしれない・・・。」と弱気になったこともあったそうです。
大阪大会で勝ち上がって行く中でも内容的に合格点の試合は少なく、準々決勝の近大附属戦や準決勝の大阪朝鮮高校戦では、相手のアグレッシブなサッカーに苦しめられました。
勝負の世界では、「頂点を獲ること」よりも、「頂点を守ること」の方が難しいと言われます。
しかも、大阪大会は、加盟チーム数が200を越える超激戦区。一発勝負のトーナメントで一つも落とさずに2年続けて勝つ為には、単純に上手さだけでは勝ちきれないのです。
学生スポーツは社会人チームやプロチームとは違って、毎年主力選手が入れ替わります。3年生の主力が抜けるということはチームの柱が無くなるということ。毎年毎年、他に負けない柱を育てなければいけません。
今年佐野監督は、鹿島アントラーズ入りが内定しているMF梅鉢をキャプテンに任命し、プレー面はもちろんのこと、メンタル面でもチームの大黒柱に育てようと取り組んできました。
梅鉢本人は「まだキャプテンらしいことをしていません」と謙虚に振り返っていましたが、全国大会までのここからの1ヶ月が大切です。チームに隙が生まれないよう、時には厳しくチームを引っ張って行ってくれるでしょう。
佐野監督や関一イレブンの思いは去年の全国ベスト4から今回の大阪大会2連覇に繋がりました。この冬からまた次の冬に繋げる為にも、今年の全国大会では昨年よりも更に上を目指してもらいたいと思います。
関大一高がもっと強くなることで、それを追う他のチームがもっともっと意欲を高めて挑み、大阪の高校サッカーが更に発展して行くことを高校サッカーファンとして切に願っています。