最後の聖戦(1) ( スポーツ ) > ( ボクシング )
最後の聖戦
インディージョーンズのことではありません…
昨夜、約12000人のボクシングファンで埋め尽くされた超満員の大阪城ホール
鳴り止まなかった大きな拍手
いつまでも続きそうだった長谷川コール
涙を流していたファンもいた
ここ大阪城ホールは、97年11月
浪速のJOEこと辰吉が下馬評を覆して3度目の世界王者となった聖地。
豪打の王者相手に勝てば3階級制覇となる長谷川にとっては格好の舞台が整った
序盤は距離をとって打ち合わず、ポイントをとりながら、
中盤以降チャンスがあれば勝負に出るというのが今回の陣営の作戦だった
が…
2R
闘う男の本能がそれをさせなかった
ロープを背に打ち合ってしまった長谷川は
王者の強烈なパンチを受けダウンを奪われる
その後、不屈の闘志で盛り返すも、
偶然のバッティングによる出血…蓄積されたダメージ…
ポイントではリードしていたが、7R1:20レフェリーが試合を止めた…
会場は一瞬静まり返ったが、誰もため息をつくファンはいなかった
その後、大きな拍手が沸き起こったのだが、
まず始めに拍手をしたのが、リングサイドで息子の勇姿を見届けた父だった
息子にボクシングの道を授けた元プロボクサーだ
そして、長谷川がどんな時も忘れていない家族の存在
長谷川がどれだけ打たれても視線を一切逸らさなかった
あくまでも想像の域を脱しないが、おそらく
「これが最後になるから、ちゃんと見届けてくれ」
というようなことが告げられていたのだろう。
妻は
「もうやめて!とも思ったけどいい試合でした。やるだけやったと思います。
どんな結果になろうとも、私は最後まで見届けるつもりでしたから」
と振り返った。
辰吉は大阪城ホールで伝説を創った
長谷川は大阪城ホールで伝説に終止符を打った
どちらもテレビ中継に携わることができた。
感謝したい
(2)では事前取材や当日のラウンドリポーターで得た生の声を綴りたい
敬称略