徒然なる「なぜ」橋下市長は突然辞めるのか?Q&A
橋下市長が明日3日、
「辞職会見」を行う予定です。
会見で「何を語るか」
それを見るまでは
なんとも言えませんが、
現時点で、
既に多くの方から
「なんで?」「なぜ?」という
疑問の声を
数多く頂いておりますので、
橋下氏の番記者を
最も長く務めた人間として、
現時点で分かる範囲で、
個人的見解を
お答えしてみたいと思います。
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Qなぜ今回、
突然、橋下さんは、
「やめる」=「出直し選挙」などと言いだしたのか?
A実は、「突然」ではない。
維新の勢いが弱まる中で、
「公明」は維新に対し距離を置き始めていた。
大阪都構想は、
この秋に、
府市議会の議決→住民投票にかけて
賛否を決するというのが、
当初から橋下氏側が公言していた
スケジュールだった。
秋に公明が「反対」に回った場合、
橋下さんサイドは、
(自分の政界引退まで明確に打ち出したうえで、)
「信を問う」出直し選挙
=都構想実現のための
最後の大勝負に打って出る可能性は、
十二分にあると、見られていた。
勢力が最近、やや後退気味の維新にとっては、
橋下氏のこの選択は、
残された、
唯一かつ最大の「ジョーカー」であるという見方は、
根強くあった。
この秋は、統一地方選まであと半年の時期。
公明サイドからすると、
そんな時期に、
橋下さんと死力を尽くした決戦選挙というような流れは、
なんとしてでも避けたかった。
というような背景があった上で、
“公明は、「1案絞り込みの先送り」という名目をもって、
住民投票のタイミング自体を無期限先送りすることで、
「ジョーカー」を使うタイミング自体を、
事実上消滅させようとしている。”
と判断した橋下氏側は、
“このまま黙っていたのでは、
「ジョーカーを使わずして、大阪都ならず」
という不戦敗の形になってしまうことになる。”
という焦りを増幅させ、
そもそも想定していたよりも
半年以上タイミングがはやいこのタイミングで、
「ジョーカー」を使わざるを得ない状況に
追い込まれた。
もちろん公明サイドは、
上に書いたようなことは認めていないし
橋下氏側の「被害妄想」だという認識なので、
どちらの言い分に理があるか?分があるか?は、
有権者が見極め、判断するしかない。
Q6億円もかけて選挙。
都構想実現に向けての「スケジュール」だけの問題で
無駄遣いのようにみえる。
有権者の理解は得られるのか?
A表面的には「スケジュール」だけの問題にみえるが、
実は、このスケジュールがずれると、
事実上、都構想は実現不可能になる可能性がきわめて高い。
橋下氏サイドは当然それをよく承知しているので、
「スケジュールだけの問題」と、見過ごすわけにはいかなかった。
Q橋下さんが出直しで当選しても、
議会の党派別構成は変わらない。
6億かけて選挙をしても、意味がないのではないか?
A当然、橋下氏サイドは、
そういう苦しい状況に置かれている。
ただ、
“選挙で圧勝すれば、
「都構想&橋下流の市政運営に、信任が得られた」という
一定の後押しにはなる。
そして、流れが変わる”
と橋下氏側は期待し、
そこに懸けざるを得ない状況に
追い込まれている。
さらに橋下市長は、
それでも議会側が動かなければ、
「もう一度、出直し選挙をやる」
可能性まで視野に入れている。
そんなことになれば、
日本の民主主義史上、
前代未聞の「珍戦略」だが、
橋下市長は、いってみれば、
知事→市長など、
「非常識」な手法の連続によって、
難局を打開してきた実績がある。
「非常識」の批判を気にもとめず、
実際にそういう行動に打って出る可能性は
大いにある。
Qそんな橋下さんに対して、
反都構想連合のほうも、
「対抗馬立てず。不戦敗」という戦略を
ちらつかせている。
これまた本当にそんなことになれば
前代未聞では?
A自民、民主、共産は、
基本的には反都構想路線をとってきた。
本当にそんな選択をとれば、
これまた前代未聞の「非常識な戦略」になる。
ただ、
「非常識には非常識で対抗」「毒をもって毒を制す」
というスタンスと
いえるかもしれない。
不戦敗によって、
「橋下氏が独り相撲で、6億もの税金を無駄遣いした!」と
印象付ける戦略ということになる。