徒然なる「ご報告」OF卒業…
突然のご報告ですが、
4年前の府知事選挙前から担当していた、
大阪府政・市政担当…
いわゆる「橋下番」にあたるわけですが、
これを、卒業することになりました。
今後は神戸支局長となりまして、
主に兵庫県内の政治・行政・警察・検察・民間事案まで、
幅広く担当することになりました。
というわけで、
今日は、一応「最後」という位置づけで、
橋下市長の「登庁時カコミ」を取材してきました。
折しも、
小沢新党の立ち上げとタイミングが重なり、
昨日から今日にかけて、
橋下さんも「旬の人」。
まあ、政治家橋下徹4年半の集大成のような、
興味深い「カコミ取材」内容でありました。
個別政策への賛否はさておき、
「旗」を掲げて賛否を迫る。
主張したい政策を明確化していく。
その「手法」に対する「絶賛」なのだ。
というのが、
橋下さんの言い分。
しっかり聞けば正論そのものなのですが、
従来の断続的な「民主批判」メッセージとの整合性、相性は、
あまり良くないようです…
てなわけで、
市民の皆さん及びメディアに対しても、
橋下さんの真意は、
今回は、あまり伝わっていないようです。
個人的見解としては、
「再稼動容認」時に通ずる「ズレ」だな…と。
橋下さんにしては珍しい現象なのかな…
といえば、
そうとも言えないとも思います。
「一言」の発する強烈性ばかりが注目されますが、
結構ちょこちょこ、
ちょっとだけ複雑な「問題提起」をする人、です。
あくまでも「シンプル」で直截的な「橋下流」
を切望する向きからすると、
「あれ?」と一瞬、なるのですが、
その不可解を埋めるために氏に説明を求め、
結局、
橋下さんの持論を時間を割いて拝聴することになる
という…
これもまた「橋下流」の
典型的一パターン…
であります。笑
今回も入り口は、
「橋下さんが野田さんを褒めた」から入って、
よくよく聞いていくうちに、
「道州制と地方消費税は表裏一体だ」
とか、
「道州制賛成の国会議員は、そこの部分をどう認識しているのか?」
というポイントに、
引きずりこまれていく…
そういう仕組みに、
なっております。笑
さて、話がそれましたが、
きょうの「カコミ」も、
そんなことを思いながら、
取材しておりました。
知事時代からあわせて、
通算1000回をゆうに越える回数、
行われてきました。
実際に1000回以上、
生で聞いてきたのは、
たぶん、私だけですが…
まあ、この毎朝の「カコミ」は、
「橋下流」の一象徴でしょう。
自分に都合の良い悪いは関係なく、
とにかく、
「何か」について
橋下さんに聞きたいという要望があれば、
全てに対し、
基本的には、
エンドレス&オープンに応じてきた4年半…
でした。
政策や人物について「毀誉褒貶」のある人ですが、
少なくとも、その「姿勢」に限っていうなら、
私は、「政治家の手本」だと、
思っております。
(あくまで確認しておきますが、
その「中身」は、また別問題ですよ)
本来、政治家たるもの、
全員がかくあるべき、
と思います。
全政治家が、そういったスタンスで、
常時緊張感のある中で、24時間365日、
オープンに政策論を戦わせればいいわけです。
その激しいやりとりの中から、
有権者が、「選択」していけば、いいはずです。
ところがまあ…
すぐ「オフレコ」だどうだと言いたがる
低レベルな政治家の、多いこと…
前にも書きましたが、
「オフレコ」は、
大した中身がないことの裏返しであることが、殆ど。
世にさらす自信がない場合の
「方便」の域を出ないことが殆どですね。
自信のない政治家ほど、
もったいぶりたがるというわけです。
さて、何度も話がそれます。
一応、橋下番を外れるので、
橋下市長に挨拶にいきました。
「ダムのこと、いつか、ゆっくり(回顧して)話したいですね」と、
言ってました。
同感です。
槇尾川ダム問題の決着は、
政治家橋下徹を語る際に、
無視できない一大要素だと、
思っております。
府政・市政改革のコストカッターぶり。
「直轄負担金」に端を発する「国に物申す」。
WTC移転問題。
発言先行で政策を形にしてきた「伊丹廃止」。
「大阪都構想」で一点突破→「維新八策」で全面展開、に持ち込もうと目論む「対国政」。
案外知られていない「セーフティネットへの配慮」。
どれもこれも、
政治家橋下徹を語る際、
欠かすことのできない要素ばかり…
ですが、
「槇尾川ダム問題」は、
地に足をつけながら時間をかけ、
最終的に大胆な結論を政治決断した、
「橋下流」の成功案件と
評価して良いと思っています。
さらに、
その解決を探る中で体得した、
いわゆる「ムラ」的理系官僚集団、タッグを組む「御用学者」の本質。
こういった構図は、
まさしく「原子力問題」とも酷似しており、
それを熟知し、相対する中で
反対の結論に持ち込みきった剛腕は、
並の政治家ではできなかった仕事だと思います。
前原さんが全く同じ時期に、
国土交通大臣としてダム問題に取り組みながら、
「なんだか大混乱させただけ」で撤収したのと、
まさに好対照でした。
やり方を間違えれば、
槇尾川ダムも、同じ印象を与える案件になっていたと思います。
と、また、話がそれました。
別れ際、
「次にお会いするのは、総理大臣としての会見で、ですね」と、
水を向けてみました。
一体どんな表情で、
どんな返しをされるのか??
興味があったのですが……
表情をぴくりとも一変させず、
変わらぬ満面の笑顔で、
「何言ってんですか!?次は、テンのコメンテーターですよ!」と
瞬時に返されたのには、
一本とられました。
最後まで流石の
リターンエースでした…
(注:「テン」=関西ローカルの夕方報道番組「関西情報ネットten!」のこと)