徒然なる「橋下知事」の勉強熱心さに、舌を巻いた…
というわけで、
先だってのエントリで、
「何を書こうとしていたか、わからなくなった」為、
いったん、、、仕切りなおしましたが、、、、
再開です。
14日の「知事への報告レク」にて、
非常に感心したのが、
橋下知事の「勉強熱心さ」です。。。
専門用語を駆使して、
コトバは悪いが
「煙に巻こう」としていた(ように私には見えた)
河川室幹部らに対し、
知事は、
非常に的確に、
問題の「本質」を、突いていました。
権限が責任する
行政の「最高責任者」
である以上、
「当然」といえば「当然」の有りよう、、、、
ですが、
世の首長で、
あれだけしっかり「予習」し、
技術系の専門家たちを、
「論破」できる首長が、
果たして、何人、いるでしょうか???
大方が、
部局が「難しい専門用語」を並べ立てるのを、
黙して聞きながら、
最後に「形ばかり」のハンコを押して、
「はい! おしまい!!」(部局側からすれば、「はい、一丁あがり!」)
でしょう。。。。
ところが知事は、
そうは問屋が、
卸しませんでした。。。。。
知事が指摘したのは、
以下のような部分です。
すなわち。。。。
「65ミリを基準に、
器も含め、安全性を確保した。
65ミリ以上の超過洪水対策については、
65ミリまでのように、
がっつり、ハイウォーターを1ミリでも超えた洪水は、
全て破堤するという前提にたって
シミュレーションを
立てるのではなく、、、、
より住民の命を守るという柔軟な姿勢にたって、
柔軟にいろんな手法を、とりいれていけばいいのではないか?
そもそも、
ここに示されている「効率指標」も、
ハイウォーターを1ミリでも超えたら、
自動的に堤防が破れ、甚大な被害が出るという
シミュレーションに基づいた指標だ。
それを防ぐことができるという試算によって、
便益が、おそらく実際以上に、〝高く〟なっている。
65ミリを基準といっている以上、
80、90ミリなどの超過洪水対策については、
そういった従来型のシミュレーションとは切り離して、
考えるべきではないのか?」
まさしく、
「用語の理解を終えた」「良識的一般市民」ならば、
普通に、そう考えてしかるべき「見解」、、、
なのですが、、、、
河川室側は、
なぜか、その知事の「見解」を、躍起になって、否定しているように、映りました。
11日の委員会でも、
まさしく、「知事の述べた見解」に近い意見が、
多く出ていたように思います。
しかし、
そのあたりについては、
部局から知事に対しては、
残念ながら、報告が、あがっていませんでした。
「なるほど。 こういう風にして、報告を上げるわけだ。
微妙に、ニュアンスが変わっていくわけだ。」
と、
私なぞは、
「委員会での〝空気感〟と
部局の〝レク〟」の
〝微妙なニュアンスの違い〟について、
得心を得た、、、わけですが、、、、、
ただ、
この点について、
知事には、最低限、「指摘」しておかなければならない。。。
少なくとも、
それが、
我々報道陣に対し、この「レク」を「オープン」にするという
〝一種の決断〟を断行した知事および府政に対する「責任」でもあると考え、
きのうの朝、
以上のような点については、
ぶら下がりで、知事に、指摘いたしました。
知事の返答内容は、
ざっと、
以下のようなニュアンスでした。
すなわち。。。
「河川室は、この際、はっきり言いますが、
『ダム推進』です。
そこは、もう、認めます。認識しています。
今まで何十年も、「ダム」で走ってきたわけだから、
それはそれで、やむを得ないと思っている。
自分は、
裁判における「検察と弁護士」ではないが、
相反する対立構図の中で議論をさせて、
そこから出てくる「ベストな案」ともいうべきものが、
浮かび上がればいいと、思っている。
河川室は、『ダム推進』派にたって、
議論の材料を、出し尽くせばよいし、
委員会は、相対する立場にたって、
説得材料を示してくれればいい。」
「弁護士」出身の知事らしい、
「明快」な議論の進め方といえます。
ただ、
であるにしても、
問題点は、残ります。
「対立した議論が行われる」
そこまではいいにしても、
そこで出た内容を「とりまとめる」
あるいは、
次回の審議で議論すべき論点を「抽出する」
こういった、
きわめて重要な「業務」が、
「ダム推進派」である「河川室」の手に、
一切、委ねられている点です。
これまで、
議論が、
思っていた以上に「長期化」してきた理由も、
河川室による
意図的?なのか無意識?なのか分かりませんが
「論点ずらし」
「不正確なとりまとめ作業」
の繰り返しによるところが、
多かったことも、確かです。
そういったことが明るみに出るたびに、
委員会は紛糾し、
遅れ、
長引き、
ずれこみました。。。。
知事に、その点を確認すると、
その点についても、
十二分に、認識している、との回答でしたので、
「そこまで認識しているなら、
われわれメディア側から言うことは、
そのことに関して、現時点では、何もない」
と考え、矛を収めましたが、、、
河川室の
あの
「ダム推進」オーラ漂う「レク攻撃」にあえば、
またいつ何時、
知事の、そのあたりの「理解」が揺らがないとも限りませんので、
そこはしっかり、
今後も、チェックを怠らないようにしたいと思っていますが。。。
最後に知事は、
今回の、
この「ダム問題」に関わる「官僚たちとのやりとり」を、
国の「政治主導」の名の下で展開されている
各省での「大臣VS官僚」のバトルにもなぞらえながら、
「政治主導は、強引さだけでは、進まない。
改革をするにしても、最終的には、
その『担い手』となるのは、官僚。
であるならば、
知識、論理に優れた官僚たちを、
納得させなければならない。
新しい改革を進めるためには、
官僚を説得するための、時間的猶予が、必要になる。
このダム問題は、1年かかったが、
真の改革を成し遂げるためには、
その程度の時間は、かかるものだ」
といったニュアンスのことを、
述べていました。
まさしく「同意」です。
この「ダム問題」は、
大阪府の「1ダム事業」の話では、ありません。
今、
民主政権下で、
「新米大臣」が、
歴戦の「キャリア官僚」たちに
いいように手玉にとられ、
「政治主導」というコトバだけが、
むなしく響き続け、国民が、失望感を増幅させているさなか、
では、
類まれなる「政治家としての能力」を持つと評される
橋下知事は、
果たして、本当に「政治主導」を、実現できるのか?
官僚たちを説得して、
大きな「政策転換」を成し遂げられるまでの能力の持ち主なのか?
それを判断する「リトマス紙」ともいうべき「題材」だからこそ、
これだけの注目を、集めていると、いうことです。
私は、
今後も、
この「ダム問題」を、
そういう視点で、見ていきますし、
知事にも是非、
そういう「緊張感」を持って、
この問題に、あたっていただきたいと、思っております。
「国にもの申す、発信力の強い、若い政治家」
「その発信力を巧みに操り、地域政党を立ち上げて、政治的ムーヴメントを
起こそうとしている、カリスマ政治家」
これらの「枕詞」に、もうひとつ加わるのが、
「その類まれなる政治手腕で、
官僚たちをも絶妙に操り、政治主導の改革を着々と進める実務家」
というものになるのか、
「問題提起までは勢いがあったが、
結局、官僚に骨抜きにされた『見かけだけの改革』だけしか遺せなかった
『張子の虎』型のタレント政治家」
というものになるのか、
知事自身も、、、、「正念場」、、、、でしょう。。。。
コメント
明大さん、このダム問題に対する一連の明大さんの
主張はこのブログにとどめるべき物ではないと思います。
立場上ある程度控えめな表現をされているのだとは思いますが
もっと明大さんの指摘が公になって欲しいと切に望みます。
投稿者: KAGURA 日時:2010年10月17日(日) at 20:52