ダムのことを書くと
皆さん、
難しくて、敬遠なさるのかなぁ、、、、と思ったら、、、、、
逆に、、、、皆さん、、、興味を持って、読んでくださるようで、、、、、(笑)
いろいろと、直接、聞いて下さったりするので、、、、、
そういうことならばと、
さらに、、、筆を走らせることに、、、致します。。。
ここでは、
特に私が詳しく研究している
「槇尾川ダム」について、
思うところを、述べることに致します。。
まず、、、
一般に、広く誤解されているところから、
指摘しておきたいと思います。
「治水ダム」というと、
作った瞬間から、
どーーんと水位を下げて、
一気に、安心・安全度が増すと、
世間の大部分が、思っていらっしゃることかと思いますが、、、、
そうとも言えません。。。。
たとえば
「槇尾川ダム」について言えば、
できたとしても、
今、一番問題となっている「中下流部」で、
せいぜい、5センチとか、10センチとか、15センチ、、、、
水位が下がる程度です。。。。
「でも、15センチ下がることによって、
たとえば、堤防を8センチ分 越す水が、
堤防より7センチ低いところでおさまれば、
いいことじゃない??」
そう思われる方も多いのですが、、、、、
残念ながら、、、、ことはそう簡単でも、、、ありません。。。。
なぜなら、、、、
「水位が15センチ下がる」場所では、
そもそも、、、、、、
1時間50ミリの大雨が降っても、65ミリの大雨が降っても、
水位は、堤防のてっぺんまでは、、、、、、いかなかったり、、、するからです!!!
堤防のてっぺんよりも、遥かに下のところまでしか、水位は、こないのです!
その水位を、何十億円も、百億円以上もかけて、
「15センチ下げる」ことに、何の意味がありますか??
というのが、
実は、この議論の「本質」です。。。。
じゃあ、なんで、
そんなお金をかけて、
「堤防のてっぺんより遥かに低い水位を、15センチとか、10センチとか、
下げよう!」
という、馬鹿げたことが、
何の疑いもなく、行われるのか??
それは、
本来、そういったことをチェックする役割を担うべき
政治家や、財政担当の役人や、マスコミの人間が、
ほとんど、そういったことが、わかっていないからだと言って、
過言ではないでしょう。。
河川官僚が
「ハイウォーターレベルが。。。。」とか言い出した瞬間、、、
そういった「チェックすべき役割」の人たちは、
ほとんど、呪文にかかったかのように、、、、、
ヘビににらまれた蛙のように、、、、、
「ハンコ」を押してしまうのです。。。。
実際、、、、これまで、、、、
日本の河川行政は、
そうやって、
行われてきました。。。。 何年も、、、、何十年も、、、、、、、
よく考えてください!!
ことは、、、至って、、、シンプルです。。。。
堤防には、
一応、
「この高さまできたら、自動的に堤防が壊れて、
水があふれますよ!」
と決められた「高さ」があります。
その「高さ」は、堤防のてっぺんよりは、はるかに「下」ですが、
その「高さ」まできたら、
自動的に、、、堤防が壊れて、水が溢れ出す!!
というシミュレーションを、
役所は、しています。。
多くの専門家によって、
「そんな馬鹿げたシミュレーション。。。。」と批判されている
〝過大な〟シミュレーションですが、
一応、、、
「念には念を入れて」という名目で、
長年慣用されてきた「シミュレーション」なので、
そこは、、、敢えて今回は、何も言いますまい。
で、
馬鹿げているのは、ここからです。
一応人為的に決められた「その高さ」を越したら、
シミュレーション上では堤防が壊れることになっているので、
ダムを造って、水位を15センチ下げたら、
「その高さ」を下回る、
という。。。。。「???」な理屈が、、、、「ミソ」です。。。
いやいやいやいや!!!
冷静に考えましょう。。。。。
フツウ、、、、そこに堤防があって、、、、、、
たとえば、
5メートル80センチの水位に到達したら、「堤防が壊れる」という決まりごとがあって、、、、、
65ミリの大雨が降ったら、
5メートル88センチの水位に到達する。。。。。
「よし! ダムを造って、これを5メートル73センチに下げよう!!」
って、、、、、、おかしいと、、、、、思いませんか????
いやいや、、、お金が無尽蔵にあるなら、いいんですけど、、、、、(苦笑)
本当に「5メートル80センチで壊れる」可能性が高い堤防なら、
確かに、「5メートル88センチでも壊れる」可能性は、高いでしょうねぇ。。。。
でも、それを「5メートル73センチ」に下げたら、、、、安心できますか???
私は、、、、、できません。。。。。
「5メートル80センチで、跡形もなく崩れ去って、川の水が勢いよくあふれ出す!!」堤防なら、
5メートル73センチでも、崩れるかも、、、、、
と思うのが、、、、フツウじゃないですか???
さらにいえば、、、、
65ミリの大雨では、5メートル73センチまでしかこなかったかもしれませんが、
80ミリの大雨が降れば、
5メートル80センチを越すかもしれません。。。
じゃあ、、、、どうするんでしょうか???
もう一個、ダム造って、
また15センチ、下げますか??
申し訳ないですが、、、、
私が、その堤防の隣に住む住民なら、、、、、
「まず、回覧板とかチラシかなんかを徹底的に回して、
その危険性を、住民に、よく知らせてくれ!!
たかだか、10万円くらいの予算で、まずそれくらいはできるだろう!!?」
と言います。
その上で、、、、
「その〝壊れやすい〟堤防を、
壊れないように、補強してくれへんかな??」
と、リクエストしますね!!
「あのぉ、、、、
ダムとかで15センチとか下げなくていいので、、、、、、
堤防を頑丈にして、
今、5メートル80センチで壊れるっていうなら、、、、
6メートルとか、6メートル50センチとか、くらいでも壊れないように、、、、
してもらえませんかねぇ・・・・
だって、今、、、、堤防の高さは、そもそも7メートルあるんですから。。。。。」
と、
申し訳ないですが、、、、(苦笑)、、、、、
私なら、、、、頼みます。。。。
「堤防を補強する方法」が、
ないのなら別ですが、、、、、
立派に「実証」された「堤防補強法」は、
山ほど!! あるんですよ!!
ただ、、、、今まで、、、、、
「ダムを造って、
水位を15センチ下げて、
5メートル80センチを下回らせて・・・・」
式の、
クラシカルな「治水行政」が、
何の疑いもなく行われてきていて、、、、、
なんだかどうなんだろう、、、と思う人が、
役所の内部や学者にも多く現れながらも、
それが「惰性」的に、続いてきたわけですが、、、、、
「いや、、、、技術も、シミュレーション技術も、
随分と上がってきたんだし、
もう、そういった馬鹿げた、非効率な治水は、
やめにしませんか。。。。。」
というのが、
最近流行の
「新しい治水」、、、、なわけです。。。。
いや何も、
橋下知事が、
「俺は、古い治水でいく!
なんかようわからんが、
なんとなく、ダムのほうが、やっぱり安心や!! 大きいしな!!
多くの住民だって、ようわからんし、
なんとなく、そっちのほうが、安心感と伝統があるから、ええやないか??
俺は、保守的な治水でいくんや!!」
とおっしゃるなら、
まあ私は、、、、、全然、、、、それでいいんです。。。。。
「勝手になされば??」
と
いうところです。。。。
ただ、
ご本人が
「新しい治水」と標榜されているので、
「であるならば。。。。。
もうちょっと、、、大阪府の河川室に対して、、、、
〝何が世間で新しい治水と言われているか、わかっているか??〟と
締めなおした上で、
本気で取り組まないと、、、、
そう簡単に、
長年の「ノウハウ」「体質」は、変わらないのではないですか??
と
言いたい、、、、、だけです。。
少なくとも、、、、
現状のような、、、旧態依然とした「河川整備計画」を
しゃかりきになって導入しようとする大阪府河川室には、
「新しい治水」といった、誇らしげなネーミングは、
間違っても、使っていただきたく、、、、ないのです。。。。