徒然なる「北京」野口選手、無念。。。。
日本が、連日のメダルラッシュに沸く中、
悲しいニュースも、時折、飛び込んできます。
そんな中でも、
僕がもっとも残念だったのは、
「マラソンの野口選手・出場断念」
の一報でした。。。。。。
アテネに続く連覇を、
ご本人が一番、期していただろうに。。。。。
その無念は、われわれ外野に
推し量れるようなものではありませんね。。。。。
野口選手のファンは、きっと多いと思いますが、
僕も、
相当な大ファンです。
野口選手のファンになったきっかけは。。。。。。
アテネ五輪の出場正式決定会見の日でした。
僕は、野口選手の
「アテネ出場・正式決定の会見」の
「代表インタビュアー」を
務めることに、なったのです!!
当時、女子マラソンといえば、
なんといっても、
「シドニーで金メダルを獲り、
旋風を巻き起こした」
Qちゃん
こと
高橋選手でした。
アテネでも連覇が期待されていた
高橋選手でしたが、
予選の結果を経て、
「アテネ代表」落選が濃厚となっていて、
正直、あのときの日本国中のムードは
「へえ?Qちゃん、本当に落ちちゃうの??」
一色でした。
そんな中、
野口選手は、
一足先に、
世界選手権の結果から
「内定」を確実にしていて、
そんな野口選手の
「代表 正式決定 会見」
の
インタビュアーを、
私が担当することに、なったわけです。
もちろんマラソン界では、
野口選手の秘めたる可能性は
大いに知られるところでしたが、
当時
お世辞にも、
世間で
「抜群の知名度を誇る」
とまではいえない
野口選手は、そんな存在でした。
かくいう私自身も、
野口選手の名前は知っていましたが、
その会見でのインタビューという仕事が決まるまでは、
お顔と名前は、
完全には一致していませんでした。
「代表インタビュー」とは、
報道各社が
一様に聞きたいであろうことを、
何度も何度も、
選手に質問するのを避けるために、
「会見」という形で
「代表社」が
「各社、世間が聞きたいだろうな、、、」という質問を
「各社を代表して」行う
というのが、
ひとつの大きな目的、趣旨
なわけであります。
野口選手の
「アテネ代表・正式決定」の感想を
お聞きするのはもちろんのことですが、
あの時、
あの日、
野口選手の決定と同時に
「アテネ代表落選」が決まる
「高橋選手」について
「野口選手がどう感じるか?」
という質問は、
避けて通れない
質問項目でした。。。。
野口選手にとっては、
本番前の、出陣決定!
という、
ひとつの「晴れの舞台」
そんな場で、
唐突に
他の選手についての感想を求められても
当惑し、
動揺し、
いやな気分になるのは、普通のことでしょう。。。。
でも、報道陣としては、
聞かなければならない質問であることも、
また、動かしがたい事実でした。
会見の場で突然聞かれ、
とっさの対応に戸惑うことは
野口選手にとっても
きっと本意ではないだろう、、、、
と
勝手ながら推測した私は、
事前に、
控え室に、
野口選手に挨拶に行った際、
「これこれこういった質問をしますので、
答えを考えておいてくださいね」
と、申し伝えました。
野口選手は、
大変さわやかに
「わかりました」と答えてくれたのですが、
「高橋選手のこと」
については
「私は、それについては、
聞かれても、何もいえないです。。。。。」
と、おっしゃいました。
当然だと思った私は、
「そうですよね。。。
それで結構だと思いますので、
そうおっしゃっていただければいいと思います。
私も
決して聞きたくて聞くわけではないのですが、
聞かないわけにはいかないのです」
と申し上げました。
野口選手は、
少し顔を曇らせながら
「わかりました。
そうでしょうね。
でも、私は、何もいえません。。。。」
と、おっしゃいました。
そして、、、、、
30分後、、、、、
いよいよ会見が始まり、
大勢の報道陣が注目する中、
野口選手への
質疑応答が
始まりました。
「アテネ出場・正式決定」の感想、
「今の抱負」
。。。。。。。
そして、いよいよ、
「落選した高橋選手については
どう思われますか?」
という質問を
私が発するときが、
きました。。。。。。
そして、、、、、、、
「なにもいえない・・・・・」と
事前に話していた
野口選手は、、、、、、、、
実に
堂々と、
自分の思いを、
まとまった言葉にして、
述べられたのです!!
答えは、
「何もいえません・・・・」
では、ありませんでした。
その答えが、
あまりにも素晴らしく、
一点の非の打ち所もない(と私は感じた)
感動的ですらあった
コメントだった為、
私、
不覚にも、
その「具体的内容」を
正確に、
思い出せないのです。。。。。。
恥ずかしながら。。。。。。。
ただ、、、、、
挨拶のときには
「何もいえない」と話していた
野口選手が
しっかりと、
自分のことばで
自分の思いを
伝えている現場に居て、
なんともいえない
「尊敬」の念を、
野口選手に対して
抱いたことだけは、
痛烈に記憶しています。。。。。。。。
その日以来、
私は、
野口選手の
大ファンに、
なったのです!!
アテネのマラソンは、
もちろん、全部みました。。。
冗談でなく、
我が家で正座して!
金メダルの瞬間は、
本当にうれしかったです。
あの野口選手が、、、、、、
本番直前の
この時期に、
「欠場」を決断せざるを得ない、、、、、
本当に、残念です。
でも、
一番失意のどん底にいるのは、
ご本人でしょうから。。。。。
一流のスポーツ選手は、
世間に「一流」と認識される前から
会見での立ち居振る舞いも
また一流である、、、、、
と、私が思うに至ったのは、
あの野口選手の会見の日からであります。。。。。
今後とも、
1ファンとして、
野口選手を応援していきたいと思っております。。。。。。
コメント
そんな事があったんですね!!
個人としては聞きたくなくても
聞かざるを得ないような時もあって
とても心苦しいのだろうとお察しします。
野口選手と明大アナとの間に
そんなやり取りがあったのを知って
なんだか少し、ホッとしたような
感動したような気分になりました。
投稿者: KAGURA 日時:2008年08月15日(金) at 12:03