不倫関係にある派遣社員・永井絵美(黒坂真美)と会社員・秋野修治(東根作寿英)が、夏美(山口紗弥加)の元に依頼にやって来る。
修治の妻・多香子(櫻井淳子)に不倫がバレてしまい、絵美が多香子から慰謝料200万円を請求されているというのだ。
ガードの甘い秋野の携帯画像から、多香子にガッチリ証拠を掴まれている。しかも、多香子の弁護士は工藤(西村雅彦)。書類も証拠も完璧。隙が無い。
「これだけ証拠が揃っていたら、支払い回避は無理。きっぱり別れる事を条件に減額交渉しましょう」と提案する夏美。
だが、絵美は「嫌です。別れるつもりはありません」
秋野と多香子夫婦は、秋野が絵美と付き合う前から、ずっとセックスレスなのだという。
「秋野さんも奥さんと別れて私と結婚したいって言ってくれました」と、この機会に離婚の話し合いを進めて欲しい、という絵美。
しかし、多香子は「専業主婦にとって、離婚はメリットよりデメリットの方が多いから」と頑なに離婚しようとしない。
その事を絵美に告げ、冷静に彼女を諭そうとする夏美。
そんな夏美に対し、絵美は「先生は本気で人を好きになった事がないんじゃないですか!?だから私の気持ちが分からないんですよ!」とキレる。
肝心の秋野も煮え切らない態度で……。
その夜。秋野は夏美とミノワに本音を話す。
「現実的に離婚は難しいと思っているんです」と言いながらも、傷ついている絵美にそんな事は言えない、と秋野。絵美とは別れたくないが、家庭も壊したくないと言う。
身勝手な事ばかり言う秋野をビンタする夏美!
「結局自分がかわいいだけじゃない!女二人を振り回して、都合のいいように利用して!」
怒り心頭の夏美は、ミノワに秋野を押しつけ、去っていってしまう。
託されたミノワは、「バシッとケジメつけろ!」と、絵美の元へ秋野を連れて行く…。
外でミノワが待つ中、絵美に別れを切り出そうとする秋野。
だが、絵美にほだされ、結局言い出せずに、絵美とまた関係を持とうとしてしまう。
気になって覗こうとしたミノワの問題行動のおかげで、何とか踏み止まるが…。
これ以上、ずるずる関係を続けても、傷が深くなるだけ――秋野を諦めるよう、絵美を説得しようとする夏美。
しかし、絵美は「私、今年35になるんですよ。秋野さんを失ったら取り返しがつかない」「何の才能も資格もない私が幸せになるには、結婚しかないんです」と、決して秋野との結婚を諦めようとしない。
そんな絵美に夏美は「甘いんじゃない?」と言い放つ。
「他人に幸せにしてもらおうなんて思っている内は、結婚したって幸せになれない」
夏美のその言葉が、絵美の胸に突き刺さる…。
工藤に「せめて慰謝料の減額を」と訴える夏美。
しかし工藤は、200万は妥当な額とした上、さらに絵美に誓約書を書くよう要求する。
秋野と二度と会わない事、もし会った場合、慰謝料100万円を追加で払う、というものだ。
秋野の事は愛してない。しかし、あくまで離婚はせずに家庭を守ろうとしている多香子。
「私は母親です。私にとって一番大切なのは子供です。子供の将来考えたら、どんな父親でもいた方がいいんです」
そう言い放つ多香子からは、“女”を捨てた“母”の凄味が滲む。
一方、「私は秋野さんを愛してるんです」と、決して秋野との結婚――“女”の幸せを諦めない絵美。こちらも凄まじい執念だ。
そんな絵美にミノワは言う。不倫はやっちゃいけない事だと思う。でも、好きになってしまったらしょうがないと思う気持ちもある。
「一番悪いのは、中途半端にずるずる関係を続ける事です。ビシッとけじめをつける為にも、当事者三人で膝突き合わせて話しするのがいいんじゃないっスか」
そしてミノワは、絵美には伏せていた、秋野の自宅の住所を、彼女に教えてしまう。
「2、3日考えさせて下さい」と一旦は帰る絵美。しかし、思いつめた絵美は、ミノワから教えてもらった住所を元に、秋野の自宅へと向かう。その瞳に狂気を宿らせて…。
そして遂に二人きりで対峙する事になる妻と愛人!
果たしてミノワは、この泥沼の愛憎劇に決着をつける事ができるのか…!?