◆ことばの話2961「サラダ油」
このネタは1年前から「寝た」ままになっていました・・・。こういう疑問。
「サラダ油の『油』は、『あぶら』か『ゆ』か?」
両方、言うような気がするんですが・・・・。早速、辞書を引いてみました。そうだ、ついでに、「オリーブ油」「植物油」も引いてみよう。
まず、『広辞苑』では「サラダゆ」が見出しで、その意味の中に「サラダ・オイル」とありました。その手があったか!そして「オリーブゆ」「植物ゆ」が見出し。
『NHK日本語発音アクセント辞典』では見出しがすでに「サラダ・オイル」になっています。そのほか「オリーブゆ」と「植物ゆ」が見出し。
『新明解国語辞典』は、見出しが「サラダオイル」ですが、意味の説明の中で「サラダ油(ユ)」と読み仮名付きでありました!また「オリーブゆ」の見出しで、意味の中に「オリーブオイル」。「植物ゆ」が見出し。
『新潮現代国語辞典』も「サラダオイル」が見出し。「オリーブゆ」「植物ゆ」が見出し。
『明鏡国語辞典』は見出しが「サラダオイル」。そのほか「オリーブオイル」「植物ゆ」が見出し。
『岩波国語辞典』の見出しは「サラダオイル」「オリーブゆ」「植物ゆ」でした。
『日本語新辞典』は「サラダオイル」「オリーブゆ」「植物ゆ」。
『三省堂国語辞典』は見出しが「サラダオイル」で、意味の説明の中に「サラダ油(ユ)」。「オリーブゆ」、「植物ゆ」が見出し。
『大辞林』は、「サラダゆ」が空見出しで「サラダオイル」が本見出し。見出しが「オリーブゆ」で、意味の説明の中で「オリーブオイル」。「植物ゆ」が見出し。
『日本国語大辞典』は、「サラダオイル」が見出し。意味の説明の中に「サラダ油」。それとは別に「サラダゆ」も見出しとしてはあって、「サラダオイルに同じ」と書いてあるので、「空見出し」的なのですが、「サラダ油」の用例も載せていました。
そして、「オリーブゆ」が見出しで、意味の中に「オリーブオイル」。見出しは「植物ゆ」。
整理してみましょう。(☆は意味の中に書かれているもの。★は空見出し、それ以外は見出し)
(サラダオイル)日本国語大辞典、大辞林、三省堂国語辞典、日本語新辞典、岩波国語辞典、明鏡国語辞典、新明解国語辞典、NHK日本語発音アクセント辞典、広辞苑☆
(サラダゆ)日本国語大辞典、大辞林★、三省堂国語辞典☆、新明解国語辞典☆、広辞苑
(サラダあぶら)***************
(植物ゆ)日本国語大辞典、大辞林、三省堂国語辞典、日本語新辞典、岩波国語辞典、明鏡国語辞典、新明解国語辞典、NHK日本語発音アクセント辞典、広辞苑
(植物あぶら)****************
(オリーブオイル)日本国語大辞典☆、大辞林☆、明鏡国語辞典、新明解国語辞典☆、
(オリーブゆ)日本国語大辞典、大辞林、三省堂国語辞典、日本語新辞典、岩波国語辞典、新明解国語辞典、NHK日本語発音アクセント辞典、広辞苑
(オリーブあぶら)**************
ということで「あぶら」は調べた限りでは、辞書には載っていませんね。「ゆ」か「オイル」かの戦いになっているようです。でも、「ゆ」だと「湯」のイメージがありますよね。「サラダ湯」とか。
1年寝かしていたネタなので、ちょうど1年ほど前にいろいろチェックしていました。
2006年7月7日の新聞では、
「日経(夕)」=サラダオイル
「読売(夕)」=サラダ油(読み方はなし)
でした。同じく2006年7月10日の読売テレビ『ニュース・スクランブル』では記者が、
「サラダあぶら」
と言っていました。あ・・・そうすると、「ごま油」は「ゴマあぶら」でしょ?「ゴマゆ」ではなく。「菜種油」も「なたねあぶら」ですよね。そ
のへんがポイントかな!?あおれと関西の方が「○○あぶら」というのではないかな?あ、そう言えば、
「キャノーラ油=なたね油」
だったんですね。知らなかったな。キャノーラ種のなたねなんですね。Google検索では(8月17日)、
「サラダ油」 =146万件
「サラダオイル」= 15万件
「キャノーラ油」= 6万0200件
でした。
2007/8/17 |