◆ことばの話2690「頭突き」
10月26日の各紙夕刊の訃報欄に、元プロレスラーの大木金太郎さん(77)が心不全で亡くなったという記事が出ていました。プロレスのことはまったく詳しくない私でも、子供の頃に知っていた人です。「大木」と言えば、高校のサッカー部に「大木」という苗字で背の高い、スラッとした体形の先輩がいましたが、その人は苗字が「大木」というだけで、ニックネームは「金太郎」でした。そのぐらい「大木金太郎」はビッグネームでした。
その大木金太郎の必殺技と言えば、もちろん、
「頭突き」
でしたが、その「頭突き」に着目して各紙の表現を見てみると・・・
(朝日)「頭突き王」「原爆頭突き」
「原爆」って、すごいな、どうも。はやったのかもしれませんね。「原爆マグロ」とかの影響かな?「水爆打線」というのも・・・ってオレは何年生まれや?
(日経)「猛虎の異名」「必殺技の頭突き」
(読売)「頭突きで鳴らした往年の有名プロレスラー」「60年代後半から韓国でもリングに上がり『パッチギ(頭突き)キング』の愛称で親しまれた」
「パッチギ」って、「頭突き」のことだったのか!
(産経)「必殺技の”頭突き”で日本と韓国のプロレス界で活躍した元プロレスラー」「『猛虎』の異名」
(毎日)「1960〜70年代に必殺技の頭突きで活躍した元プロレスラー」「72年のボボ・ブラジルとの『頭突き世界一決定戦』などで注目」
へえー、「頭突き世界一決定戦」なんてあったんだ!すごいですすね、どうも・・・。
さらに読んでみると、
「94年以降、頭突きの後遺症や糖尿病、高血圧、慢性心不全などで闘病生活が続いた」
え!「頭突きの後遺症」?
やっぱり・・・体に悪いんですね、頭突きは。読売の記事をもう少し詳しく読んで見たら、やはりこう書かれていました。
「頭突きの後遺症に加え高血圧、糖尿病などをわずらい」
やはり、「頭突きの後遺症」があったんですねえ。きっとサッカーのヘディングも、頭に悪いよなあ。皆さんも、あまり「頭突き」はしない方がいいですよ。
大木さんのご冥福をお祈りします。合掌・・・。
2006/10/26
(追記)
10月27日の読売新聞朝刊(13版)にも、大木さんの訃報の記事が載っていました。それによると、見出しはひとこと、
「頭突きレスラー」
キッパリ。
そして、「頭突きの後遺症」に関しての記述が、こうありました。
「頭突きの後遺症による頭痛や高血圧などで体調を崩し、闘病生活を送っていた。」
ふーん、「頭突きの後遺症」は「頭痛」か。当然といえば当然だけど。「高血圧」も「後遺症」なのかどうかは、ちょっと読み取れませんでした。
2006/10/27
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◆ことばの話2689「『ひと』の助数詞」
「情報ライブ・ミヤネ屋」にピンチヒッターで出ていたSアナウンサー。変わった缶詰を食べさせる店の紹介で、
「缶詰イッカン」
と読んでいたのを、先輩のWアナウンサーに、
「あれって、『ひとかん』とちゃうの?」
と指摘され、おおあせり。そこで、NHKアクセント辞典の表で、「ひと」「ふた」という
「和語数詞」
を使っている助数詞をピックアップしてみました。
「色(イロ)、重ね、株、缶、切れ、口(クチ)、組、けた、皿、そろい、束、たび(度)、玉(タマ)、月(ツキ)、粒、坪、とおり、人(ヒトリ、フタリ)、箱、場所(相撲)、柱、鉢、振り、部屋、幕、棟(ムネ)、役、椀(ワン)」
ということで、全部で「270語」ある助数詞の中で「和語数詞」を使うものは「28語」ありました。割合は、10、4%でした。事前の予想では「1割〜2割位」だと思ってましたので、おおよそ「正解」ですね。つまり、
「少ないことは少ないが、確実にある」
というところでしょうか。ただ、そのほとんどは、
「『ひと』『ふた』まで」
で「3」からは、
「さん」
と「漢語数詞の読み方」になっているのだろう・・・と思って、「3」も「み」という和語数詞の読み方「だけ」を使うものについて調べてみると、
「色(イロ)、重ね、切れ、口、組、けた、皿、そろい、束、たび(度)、月(ツキ)、とおり、箱、柱、鉢、振り、部屋、椀」
と、なんと「18語」ありました。結構多いな。両方使うものの中で「み」は( )内(つまり従)のものは、
「(株)、(粒)、(坪)、(幕)、(棟)、」
の「5語」でした(つまり「さん」が優勢な助数詞)。残りの「5語」が「3」は「サン」という漢語読みでした。意外と少ないですね。でも私は、アクセント辞典で「和語数詞」とされているものの中でも、
「切れ、口、けた、皿、束、とおり、箱、部屋」
は、「さん」と漢語読みします。ということは私の場合は、( )の「5語」とともに「3」を「さん」と読むものが「18語」で、「み」と読むものが「10語」と、形勢逆転です。
「3」の読みが、「和語数詞」か「漢語数詞」かで、いま、揺れています。
ともあれ、和語数詞には注意しましょう。
2006/10/26
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◆ことばの話2688「手帳 始めました」
この前の週末(10月21日)、JR大阪駅から阪急・梅田駅に向かう途中にある本屋さん。その脇を通り抜けようとして、チラッと見たら、こんな貼り紙が。
「手帳 始めました」
なるほどねえ、もう10月も後半だから、来年の手帳の販売が始まったのか・・・と思うよりも先に、
「おでんや冷し中華じゃないんだから、『始めました』はないんじゃないの!?」
ということでした。
しかし、季節商品の発売には、
「○○始めました」
という言い方が定着していることのあらわれでもあるんですよねえ。手帳やカレンダーは、
「旬のもの」
なんですね。
2006/10/23
(追記)
10月28日、近くの百貨店でハロウィーンのカボチャがいっぱい飾られていました。ここ数年、日本でもこういった業界ではすっかりおなじみとなったハロウィーンですが、ふとその反対側を見ると、早くもクリスマスツリーが!ちょっと気が早過ぎないかい!?
2006/10/30
(追記2)
NHKの原田邦博さんから、
「今年の3月ぐらいに、東京ガスのコピーで『電気はじめました』というのがありました。たしか、ガスのエネルギーを自宅で電気に換えるという意味でした」
という、メールをいただきました。ありがとうございます。電気を「旬」の「季節もの」として扱ったのですね。確かに電気はそういう面がありますものね、最大消費電力のピークなどを見ますと。でもガス会社のCMなんだ。
また、2004年3月28日のケータイメモを見ると、スーパーのダイエーの魚売り場に行ったら、
「本日より、生いかなごの販売を終了とさせていただきます。」
と書かれた紙がはってありました。「終了」に「本日より」というのもおもしろい。それより、わざわざそんなことを書くぐらい「いかなご」は人気なんだなあと感心しました。
2006/10/31
(追記3)
11月15日、近くの子ども用品の大規模店に、子どもの紙おむつを買いに行ったところ、なんと売り場には、もう、
「雛人形」
の「のぼり」が!!松屋町も、そうなのかなあ・・・。
それにしてもクリスマスが来る1か月以上前に、「ひな祭り」ですか・・・。毎年、1年が過ぎるのが早くなるはずです・・・。
2006/11/20
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