◆ことばの話2438「盲腸ガン」
1月11日の読売新聞・訃報欄に、沖縄の人間国宝の太鼓奏者・島袋光史さんが85歳で死去したと出ていました。この死因が、なんと、
「盲腸ガン」
そんなところがガンで死ぬなんて…はように切っておけばよかったのでは…と、なんだか複雑気分になりましたが、「盲腸ガン」というのは果たしてどんなガンなのか?ネットで検索しました。GOOGLEでは(1月12日)、
「盲腸ガン」=34件
「盲腸がん」=95件
「盲腸癌」=259件
そして詳しい説明を見てみると、
『大腸ガンは、発生部位によって盲腸ガン、結腸ガン、直腸ガンに分けて呼ばれており、日本では結腸ガンの中のS状結腸ガンと直腸ガンでの発生が多いようです。近年、日本における大腸ガンは増加傾向にあります。』
ということで、いわゆる「大腸ガン」を細かく分類すると
「大腸ガン」=直腸ガン+結腸ガン+盲腸ガン
ということのようです。症状としては、
『肛門から離れた盲腸ガンや上行結腸ガンでは血便を自覚することは少なく、貧血症状が現れて初めて気がつくこともある。』
とのことでした。
「盲腸ガん」について、友人の医師O君にメールで、
「『盲腸ガン』なんてガンがあるの?」
と聞いてみたところ、当然、
「ありますよ。」
という答え。さらに、
「大体、盲腸は切っちゃえばいいのでは?」
という私のシロウト的な、乱暴な疑問についても、
「『盲腸』というのは大腸の一部分で、盲腸はおなかの右下に位置する、大腸の一番初めの部分です。盲端(行き止まり)になっていることがこの名前の由来です。この先端にぶら下がっているのが『虫垂』です。だから、ここを原発とする癌はもちろん存在します。一般に「盲腸」と言っているのは虫垂炎のことで、虫垂は確かに不要なものですが、でも、なにも症状がないのに腹を切ってほしい人はいないでしょ?だから、むやみやたらに切ったりはしないのです。」
という大変丁寧な答えを送ってくれました。そうでした、いわゆる「盲腸炎」って言ってるのは「虫垂炎」でしたね。知っているつもりでも、いざと言う時にはわからなくなっちゃうものですねえ・・・。
最後になりましたが、島袋さんのご冥福をお祈り申し上げます。合掌。 |
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2006/1/15 |
(追記)
4月13日の読売新聞スポーツ欄に、
「闘病 森千夏 応援しよう」
という見出しが。
森 千夏さん(25)は、陸上・砲丸投げの日本記録保持者だそうですが、今、
「虫垂がん」
の闘病生活中なのだそうです。アテネ五輪直前に下腹部に痛みを感じて発熱した森さんは、その時は「膀胱炎」と診断され、五輪出場後に帰国して入院、去年7月に手術を受けたところ、虫垂付近に悪性の腫瘍が見つかったのだそうです。
しかし国内では「虫垂がん」の症例が少ないために、その治療法に関する情報を求めているという記事でした。
「盲腸がん」も少ないかもしれませんが、「虫垂がん」はさらに少ないのでしょうね。良い治療法をご存知の方は、是非「森 千夏を応援する会」までお知らせください!詳しくは森さんの母校・東京高校陸上部のホームページ(http://www5b.biglobe.ne.jp/~makenki)
をご覧ください。 |
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2006/4/13 |
(追記2)
「追記」でおしらせした、女子砲丸投げ・アテネオリンピック代表の森 千夏さんが、8月9日、「虫垂がん」で亡くなりました。26歳。若すぎます・・・ご冥福をお祈りします。合掌。 |
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2006/8/10 |