著者は1961年広島生まれ。著書に『こんな子どもが親を殺す』(文春新書)、『17歳のこころ』(NHKブックス)、『薬でうつは治るのか?』(洋泉社新書y)などがある。精神科医で神戸親和女子大学教授。
この本では秋葉原の事件・池袋と下関の通り魔事件・大教大池田小事件という国内の事件と、コロンバイン高校銃乱射事件・ヴァージニア工科大学銃乱射事件を、資料をもとに再構築し、それらの犯人の共通点を探り出したもの。犯人に共通していることは、自らの人生の失敗の原因を外部になすりつけていること、凶行のきっかけとして、いくつかの不運が“重なって”起きていること、大量殺人は“拡大自殺”と考えられること、また大量殺人犯人の9割以上は男であることなど、興味深い事実も記されていた。しかし、そういった分析によって、凶行が必ず防げるかというと、心許ない…。
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