ヘッダー Space 『排除の空気に唾を吐け』
(雨宮処凛、講談社現代新書:2009、3、20)
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最近よくその名前を目に(耳に)する雨宮処凛。これまで、その醸し出す雰囲気が「あまり合わないな」と思って避けていたのですが、本書は大変刺激的なタイトルに、つい買って読んでしまいました。読んでみたら、その現場感覚は「なるほど」と思ったのですが、主張には「・・・?」と思うところが少なくありません。シングルマザーで、2歳の子どもに一人で留守番をさせてスノーボードをしに行っている間に火事になり、子どもが死んでしまった母親が、「育児に終われて、ちょっとだけ息抜きをしたかった」。普段は子供の予防接種にも欠かさず連れて行き、子どもを寝かしつけた後の夜中に一生懸命働いていたなどの背景が書かれています。また6歳の息子に、2歳の双子の男児と女児の面倒を見させて男のところに行ってしまい、その間に2歳の子が餓死してしまった母親とか・・・これに対する「シングルマザーに対する社会の構造がおかしいから」という言い分に、説得力はありますか?たしかに「貧困率」は、ある調査によると「両親がいる子どもの家庭」が11%なのに対して「シングルマザーの家庭」は66%という経済格差があるのは事実でしょうが、シングルマザーの家庭でもちゃんとやっている家庭がたくさんあるのに・・・。それとこれとは話が違うと思いました。「もやい」の湯浅氏と、この雨宮氏は、話が合うのかなあ?

★★

(2009、3、24読了)
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