著者の言う「すべり台社会」とは、一般の人が「貧困」に陥り「生活保護」を申請するに至るまでに、3段階ほどの「セーフティネット」が設けてあるにもかかわらず、そのネットの網目が粗すぎて、皆、一度すべり台を滑り出すと途中でネットに引っかからずに、下まで落ちてしまう社会に(現在の日本は)なっているということ。生活保護の手前に、もう一つ有効なネットをしっかりと設置することが必要ではないか?というのが、大まかな著者の主張だ。
この本が出たのは去年の4月。もう1年が経とうとしている。著者が呼びかけ「村長」を務めた年末の東京・日比谷公園での「年越し末派遣村」に注目が集まったことで、この本にも脚光が当たった。ちょうどこの本を読んだあと、昨日(3月15日)の読売テレビの『たかじんのそこまで言って委員会』のゲストに、著者の湯浅さんが登場。当初、湯浅さんに対して、“胡散臭い視線”を向けていたパネリストたちに対して、非常に筋道を立てたしゃべり方で、必要以上に熱くなることもなく語り、過激なパネリストたちを納得させていた様子には感服した。 |
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