周りからはそうは言われないことが多いのだが、私はかなり「非論理的」な部分がある。そういう私から見ると、タイトルがすごく「論理的」。ちょっと硬いのでは?と思わないこともない。リンカーンの「人民の人民による人民のための政治」を思い浮かべた。『論理的文章の書き方〜非論理的な人向き』とかの方が、やや柔らかかったかも。
著者の飯間さんから、この本を直接送っていただいた。それもとっても丁寧な直筆の手紙付きで!飯間さんは、絵やイラストもプロ級にうまいが、字もめちゃめちゃきれいなのだ。恐縮してしまう。ありがとうございます。
本書が斬新なのは、文章を「クイズ文」と「日記文」の2つのパターンにバッサリと分類し、レポート・論文などを書くために必要な文章は「クイズ文」だと主張した点です。そして本来、意見を主張する新聞のコラムなども、実は日記文で書かれていることが多いために、何が言いたいのかよくわからないケースもあると。だからそういった「日記文」で書かれたものを分析しても論文やレポートを書くのがうまくならないのだ、と書いてあります。ドキッ!甲南大学で教えている「マスコミ言語研究」の授業ではそういった社説やコラムを読ませて、段落分け・要約などやってしまっているぞ、おれは。まあ、しかし「日記文」で全編書かれているわけではないので、そういった文章の中から肝というか骨(骨子)の部分を読み取ることは、意味があると思うけどなあ。決して上手ではない文章があるのも確かですが。
本書では後半に、実際に「クイズ文」を書く練習をするところもあって、論理的な文章を書くための非常に実践的な“テキスト”と言えるでしょう。またその中に、飯間さんの私生活やお人柄が垣間見えるのが、おもしろいところでしょう。
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