昭和27年から47年の20年間、まさに戦後高度経済成長期の(『三丁目の夕日』の時代を含む)朝日新聞の東京版から、おもしろい記事・懐かしい記事を“泉 麻人目線”で選りすぐった一冊。B級ニュースっぽくもあるが、それより、
「へえーなつかしい!」
といった感慨が深い。
去年22年ぶりに、学生時代に下宿させてもらった東京・荻窪の家を訪ねてみたが、瀟洒な一軒家は跡形もなく、そのあとにわりと安っぽいアパートが建っていた。その道で合っていたのか、二度通ってみたが、たしかにその道だった・・・よく通った銭湯も、駐車場になっていた。荻窪の私の下宿の記憶は、ほぼ私の記憶の中のアーカイブスだけに残されているんだなぁ・・・という感傷に浸ったことを、本書を読んで思い出した。 |
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