大林宣彦監督が映画化した『その日のまえに』。涙なしには見られないそうだが、原作を重松 清が書いていると知って読んでみたくなった。(「ミヤネ屋」に大林監督も出演してくださったことだし。)これまでに、いくつか重松作品は読んでいるが、家族と中年とノスタルジー、成功と挫折、子供の頃への懐古、そして「死(=つまり生)」を書かせたら、当代随一だろう。読みながら改めて、そう思った。
泣き方にもいろいろある。『その日のまえに』は、
“ハラハラと泪が頬を伝い落ちる”
そんな泣き方をしながら読んだ。過ぎ去った日々は二度と戻ってこない、だから一日一日、精一杯生きる。そんなことを思う本だ。
「その日のまえ前に」「その日」「その日のあとで」という連作は、一つの作品の第一楽章から第三楽章。その意味では、シンフォニーにするために第四楽章も欲しかった気がするな。
女性より男性の支持が高いんじゃないかな、この作品は。40男、必読の書だね!でも、女性の森若佐紀子アナウンサーは、次の日に目が腫れるぐらい泣いたって言ってたなあ。 |
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