『チーム・バチスタの栄光』から一年半という時期、東城大学病院と敵対関係にある翡翠院と桜宮病院を舞台にした物語。主人公は東城大学医学部の学生。彼が狂言回しになって、そこに『チーム・バチスタの栄光』に出てきたロジカルモンスター・白鳥と姫宮が出てくる。キャラが立っている海堂の作品だが、こと姫宮に関しての描写は、立体像を結びにくい気がする。一連の作品を通じて著者が訴えていることの一つは、「オートプシー・イメージング」という、死体のCTというべきものの導入。小説の中に何度も出てくるが、フィクションの形を借りて、現実社会でもそういった手法を取り入れるべきだという、医師としての著者の姿勢を表しているように思える。
また「桜宮」とか、別の話には「曽根崎」とか、「大阪近辺の地名」が名字や地名に出てくるが、著者千葉県出身だという。はて? |
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