ヘッダー Space『テレビショッピング事始め』
(境政郎、扶桑社:2008、2、25)
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フジテレビでテレビショッピングに携わった著者が、その思い出・歴史をまとめた本。著者は1940(昭和15)年生まれで、今はフジテレビ系列のエフシージー総合研究所の社長。フジサンケイビジネスアイ紙に連載したものをまとめたもの。
テレショッピングの話を期待して読み始めると、意外にも最初の50ページは、産経新聞の起源から始まる。産経新聞の起源は大正9(1920)7月の「南大阪新聞」の創刊に遡り、その生誕の地は「大阪の天下茶屋」だというのだ!これはびっくり、知らなかった!その外にも、テレビショッピングの草創期の話が満載で興味深い。
フジサンケイグループで鹿内信隆が始めた「新聞とテレビの連携」は、現在さかんに言われる「メディア・ミックス」であり、その先見性と、三十年一日(いちじつ)の現状に驚かされる。
また、『ディノス』の「ディ」は、「ディアー(鹿内の「鹿」の「ディ」)なんだって!知ってましたか?奥さん!なんか、私物化してたんやなあ。
こういったった語り部的な諸先輩方は、どんどんこういう記録を残していっていただきたいと思う。ちなみに今、私が足掛け10年書いている「平成ことば事情」は、僭越ながら、リタイアするより前に現役でありながら走りながら書き残している、業界の一記録であると認識している。

★★★★

(2008、10、19読了)
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