1920年、大正9年生まれの阿川弘之が、2004年1月から2008年春までに、文藝春秋社の雑誌の企画で行った座談をまとめたもの。夏バテか、なぜかこの週末は、楽な対談集を2冊読むことに。座談・対談集を読むのは“雑誌感覚”ですね。
本書には対談が5つ、鼎談が2つ収録されている。これをみると、同格の三人の鼎談は成り立つけど、世代が違う三人の鼎談は難しいような気がしました。
一番興味があったのは、娘の阿川佐和子と村上龍との鼎談。テーマが好きな日本語、嫌いな日本語でしたから。内容は、左様でございますかといった感じで平凡でしたが。原武史との「鉄道は国家なり」は、原の『大正天皇』を読みたいなと思ったし、藤原正彦との対談では、「この人、やはりちょっと、ずれてるな」と感じざるを得なかった。「阪神大震災の時に、略奪などが起きなかったのは武士道精神が残っていたから」って言ってるんですよ、この人は。関西に武士道があるわけないじゃん!関西人はみんな新島攘かよ?同志社出身か?じゃあ関東大震災で朝鮮人虐殺が起きたのも武士道か?と聞きたいですね。自分の説に凝り固まると、冷静な分析ができなくなるという、よい例ではないでしょうか。基本的には賛成なだけに、残念ですよねえ。 |
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