イベリアシリーズ第5弾。帯には、
「愛と諜報のドラマ、いよいよ『史上最大の作戦』決行!」
とあり、「Dデイ」つまり「ノルマンディ上陸作戦」もちょっと出てくるが、主人公達の人間関係を思い出すのには、100ページほど読み進まなくてはならない。その辺りからようやく読むペースが出てきたが、それまでは「このシリーズを読むのはもういいかな…」という弱気の虫が出てきた。なんと言っても568ページもあるのだから、電車の中で読むのにも骨が折れる。『現代用語の基礎知識』のような厚みがあるので、腕が痛くなる。
表紙の装丁の堀越千秋画伯も、相変わらずよい。わざわざスペイン語で『El Estrecho Cerrado 』と書いてあるあたりは、スペイン語にも通じている著者のこだわりが感じられる。
この小説は雑誌に連載されたものをまとめたのではなく、電子書籍配信サイトで一年半にわたって連載されたものをまとめたもの。時代ですね。シリーズの過去の作品も、もう「単行本」は絶版で「文庫本」になっているようだ。単行本、みんな持ってるもんね!かさばるけど、価値が出るかな?
なおイベリアシリーズは、第一作から『イベリアの雷鳴』『遠ざかる祖国』『燃える蜃気楼』『暗い国境線』。一体いつになったら、ショウヘイとバージニアの間に平和が訪れるのか?まだシリーズは終わりそうもないなあ…。 |
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