帯には「原稿の『著作権』は日本を滅ぼす」という大きな文字と、「You Tube」が日本企業とパートナーシップを結んだ2007年夏の記者発表の時の写真が。
うーん、大変勉強になった。現在、「著作権」というものがターゲットとして狙っているのが(?)、まさに私が働いている「テレビ」という分野であることが、ヒシヒシと感じられた。別にテレビだけを狙っているわけではなかろうが、著作権という考え方や、コンテンツの二次利用という考え方について、どれだけテレビ局が遅れているかということは、痛感した。こういった「著作権」のあり方自体が是か非か、という論議もあるだろうが、今現在(是非を別にして)そういう流れの中にあるのは、間違いない。
ちょうど本書を読み終わって少し経ってから、第1章に出てくる「テレビ局を震撼させた下町の小さな商店」の裁判の判決が出て、「ダビング10」の実施が延期され、1か月遅れの7月4日に「ダビング10」が実施されたことなど、迷走する著作権者とメーカー側、さらに、きっとまだまだ認識が遅れているテレビ局の存在などが、私の無知な頭の中にも、ぼんやりと浮かび上がってきた。本書の中核をなすのは上・中・下の3章に渡って論じられている、
「テレビに未来はあるのだろうか」
である。タイトルは「著作権という魔物」だが、実質的にはこの「テレビに未来があるのだろうか」が本当のタイトルのように思う。「著作権という魔物」はサブタイトル、という感じである。そういった一冊だ。 |
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