タイトルにつられて買った。今、世の主流である(?)梅田 某の『ウェブ人間進化論』にケンカを吹っかけているようなタイトルだもんね。興味があります。
京大のサル学の先生である著者の本は、その視点から読み解いた社会学・人間関係論を、これまでに何冊か読んだことがあるが、「なるほど!」と膝を打って目からウロコが落ちた・・・ということは、これまでにない。
今回も、タイトルが一番いいかなあ・・・。すみません、どうも。
「日本人のケータイの使い方は、寂しさを紛らわせるため。実用的なことに対してではなく、しょうもないことに使っている」「心のメタボ」「取り残されることへの恐怖」など、興味深い内容も書かれている。一つ一つのコーナーは短くて読みやすい。
「進化」か「退化」か、なんてのは、よく考えたらどういう価値基準を持つかによってまったく「逆」になるのであって、その意味では梅田 某と実は同じことを論じているのである。立場が違うだけ。最後にはっきりと「不便を享受する時代へ」と著者は述べている。それは「ユビキタスとは真逆の世界」だと。それを100%認めるわけではないが、今やかなり認めないと、ほおっておいても時代は「ユビキタス100%」の世界へ走ろうとしているから、ハンド・ブレーキのつもりで、正高さんの論に同調しておいた方がよさそうである。そういう人は少数派のようだから。多数派に同調すると、変化はドンドン加速してしまう。何事も「中庸」です。 |