週刊文春の坪内祐三の書評欄で見かけて購入。フォークソングは高石友也(ともや)から聴いていた私だが、高田渡は聞いたことがない、名前だけはもちろん知っていたが。 この本は第1章から、「自衛隊に入ろう」「貧乏なんて怖くない」「初めてのレコードからかれこれ三十年」「普通の人々の生活を歌に」と、ここまでは「高田の半生」をつづったものだ。なかなか興味深い。ちょっとヘンクツな人だと思う。途中から酒を飲みだして、いわゆる「アル中」になっちゃったんだろうな。ある意味、破滅型の人だったんだろうなあ、天才にありがちな。
その後の章「旅のおもしろさはなんといっても人と街」「文化鯖が大好き」「町の記録写真家」「今日も僕は『いせや』で焼酎を飲む」などは高田の人がわかってこれまた面白い。好きな外国は「ポルトガル」。日本では「長崎」。
昔はやって今は寂れている「街」が好きという、根っからの「都会派」なのだそうだ。わかる気がする、また、好きな映画のベスト3の中に『ニューシネマ・パラダイス』が入っていた。あ、ぼくと同じ。うれしかった。
3年前に56歳で亡くなっている。まだ若かったのだが・・・。好きなことをして、逝ってしまったのだなあ・・・。
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