著者の「名前」は、おそらくペンネームだと思うけど、「チキ」というのは、どういう意味なんだろうか?なんだかふざけているように思えて・・・本の内容は大変良かったのに、印象で損をしているのではないだろうか。
本書は、単にウェブ上の「炎上」という現象について書かれたものではない。その意味では、タイトルは本書の全体像を示していない。本書は、インターネットがあって当然の『現代の世界』について網羅して書かれたものだ。
キーワードは「サイバーカスケード」。これはアメリカの憲法学者キャス・サンティーンが『インターネットは民主主義の敵か』(石川幸憲訳、毎日新聞社、2003)の中で提示した概念だそうで、
「サイバースペースにおいて各人が欲望のままに情報を獲得し、議論や対話を行っていった結果、特定の(たいていは極端な)言説パターン、行動パターンに集団として流れていく現象のこと」
を言うそうです。ある意味、これは民主主義の悪い一面、ポピュリズムなどとも関連するのではないかな。
とにかく、ものすごく勉強になった。各ページに縦書きで「注」があるのは、わかり易くてとてもよい。
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