ヘッダー Space『公務員クビ!論』
(中野雅至、朝日新書:2008、2、28第1刷・2008、3、30第4刷)
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著者は1964年生まれ。(顔写真を見ると、とても私より年下には見えないのだが。貫禄あるし)
兵庫県立大学大学院の准教授。生まれ故郷の奈良県・大和郡山市役所を経て旧労働省に入り、
厚生労働省大臣官房国際課課長補佐を経て現職という、ある種変り種の職歴を持つ。公務員として、
地方と中央のいろいろな職を経験している。その強みを生かして書かれたのが本書。
タイトルはショッキングであるが、中身はそれほどエキセントリックなものではなく、 「なるほど、なるほど」と納得いく記述もあった。たとえば、赤線を引いてしまったところをちょっと書き写すと、
「役所は『出来る公務員』を住民から隠すばかりか、住民の目に最も触れやすい市町村役場の出先機関の窓口業務に、あえて『できない公務員』を配置していることが多いのです。私の経験から言いますと、窓口に行く人の多くは出世コースから外れた人か、やる気の感じられない人でした。」
とあり、
「これでは窓口業務をしている人から抗議が殺到するのではないか?」
と心配してしまいましたが、実は私もこれまでにもよく、窓口業務で、
「なんだ、この対応は!」
と怒り心頭に発したことがたびたびあったので、
「やっぱりそうだったのか!」
とちょっと信用してしまいました。もっとも最近は(苦情が多かったからか)、以前はとんでもない対応をしていた窓口で、ちゃんとした係の方を置いているケースももちろんあるのですが。
この一文をもってしても、「こいつは、いろいろ面白そうだぞ」と思われたのではないでしょうか。
なお著者は以前、読売テレビの「たかじんのそこまで言って委員会」にもご出演いただいたようです。
その回を私は見ていないけれど。


★★★★

(2008、4、29読了)

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