双葉文庫の「ひさいち文庫」の新刊。『こんな漫画があったのか!埋もれたお宝から最近作くまで!いしい漫画の集大成「ひさいち文庫」!』と帯に書かれているが、たしかにこれは、ちょっと「埋もれて」いたものではないか。これまでの「いしいひさいち」の漫画に比べるとパワーが出ていないような気がした。それでも、エガワ君が出てくる漫画がなつかしい。
中に「オウ監督」が「エガワ君」に、「今日は先発で行くぞ!」と声をかけ、エガワ君が、
「そーか、カントクはやっぱりボクを頼りにしてるんだな。よし、今日は完投してやるぞ」と意気込むと、オウ監督はほかのピッチャーに、
「加藤、今日は中継ぎだ!西本、今日は押さえで行くぞ!」
と指示していてエガワ君はずっこける漫画があるが、これは当時はまだそういった投手の分業が(中継ぎも含めて)今ほど確立していなかったのかな?と一瞬思った。だが単に、エガワ君が完投できないという点のみが笑いのポイントなのかなと、ちょっとわからなくなった。先発級のほかの投手を中継ぎや押さえに回すところが面白いのかな・・・という風に「おもしろい」というよりは「考えさせられて」しまったのは、漫画が古くなっているということか。時事漫画の宿命か。歴史にはなるが。
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