サブタイトルの「空気を読む」につられて買いました。タイトルも「地獄」とあって刺激的ですが、これは著者の意図によるものではなく、編集者サイドが決めたタイトルだとか。なるほど読んでみると、内容は「論文」のように堅くて味気ないもの。たとえば著者は、1970年代の「高野悦子」と2000年の「南条あや」を比較して、若者の心情の時代差について考察していますが、あまりにも専門的過ぎて一般の読者には興味が薄いのでは、と心配になります。「羊頭狗肉」な感じがして、「買わなきゃ良かった・・・」とちょっと後悔しました。
しかし100ページを超えた第3章あたりから、急におもしろくなってきたのです。私が一番興味を引かれたのは、「やばい」「鳥肌が立つ」という言葉をプラスの意味で使う時の心情に関して書かれた116ページあたりと、「おわりに」で記された「『自分らしさの檻』からの脱出へ」という部分でした。本って、一冊丸々読まなくても、拾い読みとか飛ばし読みで「うん!?」と思ったところから読む方法もありかなと(小説は無理だけど)思いますよ。
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