ちょっと変わったタイトルだが、これはサッカーの「フォーメーション」。ゴールキーパーを除いて、バックからフォワードにかけての人数を表している。少し前(数年から10年前)までは「DF−MF−FW」の順に「4−3−3−」「4−2−4」のように3段で書くのが常識であったが、いまや「4−2−3−1」のように4段で書くのが常識のようだ。
こういったフォーメーションは、戦術・理論があってこうなっているのだということを、スポーツライターである著者は、ワールドカップ7回、五輪は夏・冬合わせて8回、UEFAチャンピオンズリーグの試合は過去15年間で300試合以上も取材した経験、いろんな指導者に直接取材した結果から導き出そうとしている。
またこの本の中には、いかに日本語表現が大切であるか、それによってミスリードされてしまうことがあるかと言うことに関してもしばしば言及している。同じ光文社新書から出た田嶋幸三さんの『「言語技術」が日本のサッカーを変える』もそうだったが、文部科学省が言うまでもなく、日本のサッカーの現場の指導者やその周辺の人たちは、言葉の大切さを痛切に感じているようだ。
南米や欧州のチームに比べると弱小の日本代表は、「番狂わせ」「ジャイアント・キリング」を目指すべきであると。そのためにはどうすればいいのか、というヒントが詰まった本である。
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