ヘッダー Space 『シモネッタのデカメロン』
(田丸公美子、文春文庫:2008、2、10)
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故・米原万理さんの親友・シモネッタことイタリア語通訳の田丸公美子さんの2冊目の本。ちょっと高校生以下に読ませるには、オトナの話題が満載で・・・キッツイところもあるが、オモシロイ。シモネッタ(下ネタ)全開である。
また「教養」の部分では、国際競馬会議での通訳の話で、「馬主」は決して「ばぬし」と言ってはならないと書かれている。これは正しくは「うまぬし」。エージェントから口を酸っぱくして注意されるのだそうだ。理由は、「博徒、博労、罵倒、馬鹿、罵詈雑言」など、<ば>のつく言葉にあまり良いものがないことをふまえ、馬主のイメージアップのために、まず呼び方を変える必要があると判断した馬主協会の決定事項なのだそうだ。しかし、一般の方々には、まだ新しい読み方はなかなか浸透せず、<うまぬし>と言うと怪訝な顔をされるそうだが。
また、「では<えさ>の成分表をご覧下さい」と訳したら、主催側スタッフが怒りの形相で通訳のブースに飛んできて、
「<えさ>じゃない。<フード>だ!」
と怒鳴ったそうです・・・。
最後の「解説」がわりの米原さんとの対談が悲しい・・・。これからは田丸さんが、米原さんの遺志をついで、書き続けてください!!


★★★★

(2008、2、17読了)

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