「教育」を考える上で、大変示唆に冨み、刺激を受けた本。1969年生まれでノンフィクションライターである著者の本を、私は以前に読んでいる。『マイノリティーの拳』(新潮社)というボクシングに関するノンフィクションだ。これもおもしろかった。
その著者、アメリカ大リーグの日本人選手の取材を現地でしていたのだが、スポーツ紙との理不尽な契約・待遇に、未来を見出せずにいた時、知り合いから声を掛けられた仕事というのが「学校の先生」。それも「超★底辺校」の先生だ。それは、日本では想像もつかないような複雑な問題を抱えた生徒が通う学校。教師の経験のない著者が、彼らとなんとか心を通わせようとする様子に、知らず知らず引き込まれていく。そんな本だ。
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