ドラマ化もされているようだが、書店で見かけても特に興味が沸かなかった。ただ書評で取り上げているのをみて、しかも、じわじわと18万部も売れているというのを読んで、ためしに買った。
読んでみると、これがおもしろい!400ページ近い物語を、一気に読んでしまった。最初の50ページまでで感じたのは、
「これは奈良版・現代版の『坊っちゃん』だ!」
ということ。真夜中過ぎの台所で食器を紙タオルでふきながら、そう思いついた。と言っても、『坊っちゃん』を通読したと言い切る自信は、ないのだが。
「マドンナ」というニックネームの女性が出てきたところで、著者自身も『坊っちゃん』みたいだと書いて「ネタバラし」しているが、この小説の構成が『坊っちゃん』にインスパイアされたのは間違いないだろう。
小説の中で一番盛り上がるのは、ラストよりも剣道部の三校対抗戦のクライマックス。手に汗握り、スカッとした。ラストはちょっと予定調和。ジュブナイルなのか?とも思ったが、青春小説として気持ち良く読めた。
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