ヘッダー Space『心にしみる四字熟語』(円満寺二郎、
光文社新書:2007、10、20)
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円満字さんは、今年は立て続けに本を出している。
「四字熟語が好き」という円満字さん、「連戦連勝」「自由自在」「自業自得」「悪事千里」など16の四字熟語を取り上げて、その使われ方、由来、自らの思いを綴っている。
いわゆる「受験の国語」に出る四字熟語ではない、少しわけあり(?)の四字熟語の数々を紹介している。円満字さんの自らを表す一人称が「ぼく」というのが、いささか違和感があるのだが、それだけ、リラックスして書けたということかもしれない。
「不可思議」という四字熟語を取り上げた項では、その出典(?)として、夏目漱石の『こころ』を挙げている。そして『こころ』は「外から始まり、うちに終わる」と分析している。以前、私は漱石の『こころ』をテキストにして「家」という漢字のルビが「いえ」か「うち」かを調べたことがある。結果は、ほぼ半々であるということがわかったが、それ以上に感じたのは、漱石という作家が「内と外」を非常に意識した人間であるということであった。図らずも、円満字さんも同じようなことを感じたのだなと共感を覚えたのだった。今考えると、これは当時の「時代の風」として、誰もが持っていた意識であったのかもしれない。それを漱石は文章に残していたのだと。そういう意味では、漱石は「ジャーナリスト」だったのだなと思う。


★★★★

(2007、11、30読了)

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