ヘッダー Space『市民のための国語の授業』
(杉本つとむ、おうふう:2007、6、25)
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「市民のための」と付いているので、わかりやすく噛み砕いてあるのかなと思ったら、さにあらず。これは相当レベルの高い「市民」向けの本だと思います。私も途中、ちょっと難しすぎて飛ばして読んでしまったところもありました・・・。
しかし、第1章の「言葉は音声なのです」、第3章の「<ら抜き言葉>は日本語の進化です」はすべて興味深く、また興味を持っているからこそ深く理解できたと自分でも思いました。第2章の五十音図の歴史も、とても興味深いし、翻訳語の話(第5章)、日本語はどれも、もともと宛字だという話(第6章)も、目からウロコが落ちる人が多いのではないか、そういう意味で「おもしろい」本です。レベルは相当高いですが。
しかもかなり辛らつに、日本語にまつわる状況を批判してらっしゃるので“痛快”の反面、「ここまで言ってしまって良いのかな?」と思う部分があったのも、事実でした。


★★★★

(2007、8、12読了)

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