中島義道さんの本、はじめのうちは出たらすぐに買って読んでいたが、そのうち買わなく(読まなく)なった。最近また、ポツポツと読んでいる。共感する部分も結構あるが、それで「そうそう、私もそうなんですよ!」と言われることを、この人は嫌う。そんなに簡単にわかるはずがないのに、簡単にわかったつもりになれる軽薄なヤツとなど、近づきたくないという思いなのだろう。でもそれで世の人に読んでもらう本を書いて買ってもらうというのは本当に矛盾に満ち満ちているとも思う。その葛藤に悩んだりしないのだろうか?人に気を使うことは自分に正直であることに反するのではないか?という著者の思いと同じ思いを私も持ったことがある。それを人は「わがまま」と呼ぶ。そういった「わがままぶりが如実に出ている人間嫌いには女性に多く、山田詠美、中野 翠、金井美恵子、大庭みな子、白洲正子、塩野七生など錚々たる面々が顔を連ねる」と著者は書いている。 |