『裏読み深読み国語辞典』『国語辞典事件簿』という著書もある著者は、元読売新聞記者。
過去の２冊もとってもおもしろかったが、ちょっと専門的に裏読みしすぎて深い井戸を掘りすぎていて、読者の幅を狭くしているなあと感じたが、今回もかなり専門的な感じ。それを読みやすくするために軽い口調も交えているが、何せ元が専門的だから、なかなかとっつきにくいのではないかなあ。
辞書の名前はややこしい、よく似ているので「コージ林」「コージ苑」という風にカタカナを交えて書かれているのだが、それはやめた方が良かったと思う。かえって読みにくい。われわれは文字を読んでいるのではない、文字のイメージを読んでいるので、部分的にカタカナにされると、「コージ苑」＝「広辞苑」、「コージ林」＝「広辞林」というイメージが想起しない。特に「コージ苑」は、私にとっては「相原コージの漫画のタイトル」であり、そちらのイメージが浮かんでしまって、読み進む頭を邪魔してしまうのだ。おそらく著者は相原氏の漫画は読んでなかったと思うが、両方読んでいる読者もいるのだ。小細工はやめてほしかった。