泊まり明け、帰宅途中に寄った本屋さんで見つけて買ったもの。なんで手に取ったかと言うと、タイトルです。『ジャージの二人』。「ジャージー」でなく「ジャージ」。本当は・・・正しい表記は・・・国語辞典的表記は「ジャージー」なんですよ。でも「ジャージ」。
長嶋さんというと、芥川賞作家。1972年生まれと若いけど。その彼をして、もう「ジャージー」ではなく「ジャージ」なんだと。この文庫本には連作として『ジャージの三人』も載っています。「ジャージの二人」の9ページから119ページまでの間に出てくる「ジャージ」の回数は、21回!また、野菜の「ゴーヤー」は、語尾を短くせずに「ゴーヤー」で、4回出てくる。そのほか気になるカタカナ言葉は「フリスク」。最初なんだかわからなかったが、「ああ、あのスッキリする西洋仁丹みたいなものか」と気付いた。
最後まで読んで、なんだか村上春樹的なフンイキもある小説。親子関係、夫婦関係、宙ぶらりんなままに、北軽井沢(大学時代にコーラスの夏合宿で4年連続で泊ったことがある!軽井沢じゃないんだよ!)の山小屋で過ごす夏の日々の、宙ぶらりんさ。なんだか最初に思っていたよりは興味深い小説だった。
巻末の解説で大阪出身の作家・柴崎友香が「カマドウマって何?」と書いているが、(山小屋に出てくる。豚汁の鍋の中に飛び込んだりする!!)大学時代、下宿に帰って電気をつけたとたん、部屋の中にカマドウマがいたときのおぞましさと言ったら!あれを知らんのか!
イメージとしては、ゴキブリガバッタノヨウニ、ジャンプシテクルンダヨ!もう、いや!!
という感じです。あんなに気持ちの悪い虫はいないんじゃないか。カマドウマの出る家に、私は住みたくありません・・・。
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