著者は静岡大学教授で、専門は意味論・国語史。ことばの中で「物」と共に特別に扱われてきた「場所」の解明に取り組んでいるそうです。だから第2章は「時の表し方」について、第3章は「量をはかる言葉」について書かれています。当たり前のことを難しく話しているような感じがしないでもない。
私は第1章の「数字とことば」のところがおもしろかったな。
「じゅういち、じゅうに、じゅうさん、じゅうし・・・」
と続く「10台」は、「10あまり1、10あまり2・・・」という「足し算の構成」なのに対して、
「にじゅう、さんじゅう、よんじゅう・・・」
というのは「2かける10、3かける10、4かける10」というふうに「掛け算の構成」なので、アクセントが変わってくる、という指摘には、
「なるほど、そういう考え方もあるのか!」
と納得。
2、3章は難しかったので読み飛ばしました。ゴメンナサイ。
なんだかテツガク的で、結構、むずかしい、ややこしい本です。でも数の意味について興味を持つ人にとっては、おもしろい本です。随分前に読み終えたのに、感想が書けませんでした。
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