ヘッダー Space『頭のうちどころが悪かった熊の話』
(安東みきえ 絵・下和田サチヨ、
理論社:2007、4 第1刷)
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5月13日の読売新聞の書評欄で、小泉今日子さんが取り上げていたので書評を読んだが、童話みたいなので特に興味も持たなかったのですが、その紹介文の最後に、「絵・下和田サチヨ」とあったのに目が留まった。この人こそ、私が4年前にPHP文庫から出した本『「ことばの雑学」放送局』の表紙を書いてくれた方なのです!
ということで文句なく、すぐに本屋さんに注文。いつものように、上田玉芳堂さんはすぐに配達してくれました。新聞書評欄の白黒の写真ではわからなかった表紙の色合いも、思っていたイメージどおりの色でした。
で、中身ですが、思っていた以上にこれは大人向け。童話ではないですね、寓話ですね。
7つの寓話の連作なのですが、特に「小さい童話大賞」(毎日新聞社主催)を受賞したという、2つ目に載っている「いただきます」は、パウル・クレーの絵画を髣髴させる、そしてそれに題材をとった谷川俊太郎の詩「クレーの絵本から」の中の「大きなさかな」が「中くらいのさかな」を食べ、「中くらいのさかなが小さなさかな」を食べる話にそっくり。そして、食物連鎖と仏教的な真理みたいなものを思い浮かばせる感じがした。いやあ、参りました。この本は、いい!
<追記>
拙著、PHP文庫から出た、
『「ことばの雑学」放送局』
が、刊行から4年、ついに「絶版」になることになったと連絡がありました・・・・
まだお読みでない方、お買い求めでない方、また記念にもう一冊ほしいという方(笑)、ぜひ是非、お近くの書店にお申し込みいただくか、ネットでご購入ください。
よろしくお願いします!下和田サチヨさんの描いた私の絵の表紙が目印です。

★★★★

(2007、5、23読了)

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