ヘッダー Space『文字と社会から新「ことば」シリーズ20』
(国立国語研究所編:2007、3、30)
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国立国語研究所が出している『新「ことば」シリーズ20』で特集が「文字と社会」。実はこのシリーズは毎年3月末に出ているが、去年の「19」の巻頭座談会には、私も呼ばれて行って、外来語に関して話した内容が載った。まだ読んでいない人は読んでほしい。
今回の表紙は、あの『バカの壁』の養老孟司先生とNHKアナウンサーの桜井洋子さんのカラー写真!去年はなんだかわからないデザインの表紙だったのだが、さすがに有名人となるとデザインもそういう風に・・・・と、別にそれはひがむところではないが、去年の座談会は国立国語研究所の杉戸所長も入れて4人だったのに、今年は3人と1人少ない。なんでだろ?
養老先生が表紙の写真になったことで、本が売れるとも思えない。『バカの壁』がベストセラーになったのは、まずその「タイトルのよさ」と「内容の面白さ」によるもので、養老先生の容貌によるものではないと思うからだ(たぶん)。
巻頭エッセイは 阿刀田高氏の「私の文字生活」。高校時代から阿刀田ファンだった私は、その文章の特徴のひとつ、モノローグ部分の表記の仕方、
—————どう読むのかな ——————
と、「 」の使い分けに関して、常日頃気になっています。
今年のこの冊子の中で「ほお!」と思ったのは、Q&Aの中にあった、
『「〜するとき」と「〜する時」では、意味が違う場合もあると聞きましたが、本当でしょうか?』
という応答。答えは、
「はい。」
え!そうなの!?答えによると、法律文などを扱う行政用語の世界では、意味が違うのだそうです。つまり、ひらがなの「とき」を使った「国宝を展示するとき」は、
「国宝を展示する場合においては」
の意味で、漢字の「時」を使った「国宝を展示する時」は、
「国宝を展示した時点」
を指しているのだそうです。知らなかった!
つまり「とき」は「仮定」で、「時」は「現実」か。へえーーー。
——————それは知らなかったな—————

★★★★

(2007、5、8読了)

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