斎藤美奈子の本で、まだ読んでいなかったものの一冊。既に文庫になっているということは、初出から時間が経っているということですよね。雑誌『鳩よ!』で1998年12月号から2000年2月号まで連載され、単行本が2000年12月に出ていて、この文庫が2003年12月に出ています。それからさらに3年経って読んだというわけ。お正月休みに読んだうちの1冊。感想を書くのが随分遅くなりましたが。
この本の「解説」は「浅井良夫」という人が書いている・・・???誰?それ?と思ったら。「成城大学経済学部 教授」だという。なんでそんな人が?・・・あ、そうか、斎藤は「成城大学経済学部」の出身だった。とすると、恩師か!そうだったのだ。しかもこの『モダンガール論』、「論」とあるように、なんだか「レポート」のように生真面目である。卒後ウン年経つ斎藤はこれをある意味で「卒論」として書いたようだ。浅野教授は「解説」で、
「折角ですから、この特別参加作品に対して『優』を献呈することと致しましょう。」
と結んでいます。
また斎藤自身も、「文庫版のためのちょっとした補足」を書いています。この単行本が出たのは「2000年12月=20世紀のどんづまり」だったが、文庫版は21世紀になってから出ているので、斎藤は「21世紀の女性の生き方」の「3つのモデル」を提示しています。また、「新しい階級社会がやってくる」とも書いています。これは「格差社会」が言われるよりも早いと思います。斎藤の慧眼が、このあたりからも伺えます。 |
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