ヘッダー Space『誰も「戦後」を覚えていない〜
昭和20年代後半編』
(鴨下信一、文春新書:2007、12、20)
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実はこの本の前半編はまだ読んでいない。探しているのだが、近くの本屋さんには置いていない。これはいけないと思う。後半編しか売っていないなんて。1冊か2冊ぐらい、前半編も置いておくべきでは?その本屋さんの知り合いのお姉さんに言っておこう!
後半編では昭和25年から29年の出来事、時代の空気を著者の記憶を下に調べて書いている。私が生まれる前なので、時代の空気を直接は知らないので、こういった実際にその時代を生きていた人の記録は貴重である。著者(元TBSのドラマプロデューサー)はまだ71歳(うちの父と同い年)。そういう意味ではまだまだこの世代の人たちはお元気でたくさんいらっしゃるが、年々そのナマの声を聞くことは少なくなるだろうし、失礼ながら記憶も曖昧になってくるのではないかと・・・。今、書いておいていただくことは、大変ありがたい。
この本の購入を決めたのは、「『ローマの休日』や『七人のサムライ』ばかりを見ていたわけじゃない〜映画はこうだった」という目次の見出しを見たから。曽野言葉どおり、著者が当時見た数多くの映画や俳優の名前が出てくるが、外国の女優の名前で私が知っている物は少ないことに驚いた。ほとんどの女優の名前も顔も、50年後には、当時見た人の記憶の中にしか残らないのか。
また「ハードボイルドが新しい日本語の文体と新しい生活様式をもたらした」という見方は、初めて知った。興味深かった。

★★★★

(2007、1、23読了)

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