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『徳川慶喜家の食卓』
(徳川慶朝、文藝春秋:2005、9、25)
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「これはひどい!だまされた」
と妻が言うので、どれどれとパラパラ読んでみたら・・・たしかに、タイトルに関するような記述は少なく感じる。十五代将軍・慶喜の目ではなく、一介の写真家と自ら言う著者の目から見た慶喜の食卓が語られているのだか、その文章に、残念なことにあまりインテリジェンスが感じられないのである。中身が薄い。このタイトルで書くなら、もう少ししっかりとしたことを書いて欲しい。期待してしまうから。「私は慶喜には会ったことないから知らない」と言うのなら、こんなタイトルで書くのは、いくら四代目でもおこがましくないか。同じようなタイトルだが、榊原喜佐子さんが書いた『徳川慶喜の子供部屋』(草思社)の方が、ずっとずっとおもしろかった。千倍くらい。
この本、妻は飛行機の中で1時間たらずで読んだと言うが、私はソファーに寝転びながら5〜10分ほどパラパラしただけで、読む気が薄れたのだった・・・。
表紙の、葵のご紋の入った漆塗りの器の写真や、帯の慶喜の写真などが期待を高めているだけに、残念・・・というか腹立たしい。

★
2005、11、22読了
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