今年の夏に読んだばかりの、同じ著者(米原万里)による『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』を思い出した。同じような舞台、同じような内容(ソ連崩壊後に、30年前の思い出を頼りに、記憶の彼方の友達や恩師を探す旅に出る)ではあるが、500ページ近い超大作なので、スケールが大きい。子ども時代をプラハのインターナショナル・スクール(ソビエト学校)に通った著者ならではの物語。読み手は、まるでミステリーを読むように物語の世界に引き込まれていく。
今回の主人公とも言える「オリガ・モリソヴナ」は、年齢的にも著者よりも随分上(19世紀生まれ)なので、ロシア・チェコという地理的な距離とともに、時間的な距離も「嘘つきアーニャ」以上に大きく羽ばたいている。
小説ではあるが、かなりノンフィクションが混じっていると思う。それは巻末の7ページにも及ぶ「参考文献」の数を見ても分かる。普通の小説ではありえない量である。
それにしても・・・ロシア人の名前は覚えにくくて、読み切るのに3週間、かかりました・・・。 |
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