この著者の本は、以前『教養としての大学受験国語』という題のものを購入したが、パラパラっと見てそのまま、まだ読んでいない。現在著者は、早稲田大学教育・総合化学学術院教授。国語の教科書から「漱石」や「鴎外」が消えたという報道は間違い(以前から載っていなかった)だということから始まり、「ゆとり教育」の方向転換を決定付けた、2004年のPISA(生徒の国際学習到達度調査=Program for International Student Assessment)における「読解力の低下」は、本当かを検証する。そして現在の国語の教科書がどういう思想の下に編集されているかも明らかにしていくのだが、実は本書の著者も、長年教書の編集に携わっているのだから、その辺の事情には一番通じていると言える。
国語教科書の思想について、外部の視点から追求していくように見えて、実は内部からの告白にも思える一冊である。 |
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