恥ずかしながら、幸田文の本は読んだことがなかったのだが、文庫本、それも装丁が上品でおしゃれだったのと、タイトルが「東京と大阪と」という、文化比較のような題だったので、興味を惹かれて買ったエッセイ集。読んで感じたことは・・・やはり文章がうまい。向田邦子をさらに上品にしたような。それでいて古くない。現代に書かれたものかと思ってしまうくらい、新鮮である。特に最後の一行で、これまでの話から一見すると飛躍したような文章がサラっと書いてあるのだが、少し考えて「ホウ!なるほどねー」と感心してしまう技法は、すごいと思った。「天声人語」などは見習うといいのではないか・・・て、できるならやってるよね。 |
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