「音」「音楽」に関する24のエッセイが気軽に読めて「フフフ」あるいは「アハハ」と笑える一冊。装丁はなんだか岩波っぽい感じ。色使いとか。
おもしろかったのは「おならと恥じらい」「ギリシャ歌謡初体験」、そうだよなあと思ったのは、「下校の曲、手品の曲」「工事の騒音、ピアノの騒音」、そして「涙の出る歌」の中の、「近頃は『泣き』と『笑い』が流行である。お笑いも人気があるが、どちらかというと本でも映画でも『泣き』のほうが主流だ。テレビドラマも一度視聴率がいいとなると、難病物、闘病物が続けて制作されているようで、その安直さには呆れる。映画でも『感動』『涙』の大安売りだ。」
という一文。そうなのである。あんまり「感動」や「涙」を安売りすると価値が下がるし、本当の涙や感動の場面で反応できなくなるのではないかと危惧するものである。
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