古本市で見つけた1冊なのだが、奥付を見ると意外と新しく、去年(2004年)に出ている。伊勢戸さんのお名前はどこかで目にしたり耳にしたりしたことがあったのと、タイトルの「大阪弁」に魅かれた。ただ、その著者の伊勢戸さんご自身が、1999年に67歳という若さで亡くなっていたことは知らなかった・・・合掌。
本書は、1993年から96年まで、産経新聞紙上で連載されたものをまとめたもの。
子供の頃のことから、材木商の仕事をやめてしまって『大阪春秋』の編集にかかわり、晩年には短大の教授、大阪市の教育委員長まで務めたという波乱の人生の中で関ってきた人やコトバ(大阪弁)のエッセイは、読めば読むほど、かめばかむほど味わいが出る気がした。今や絶滅寸前の「古きよき時代の大阪弁」にとっても、貴重な証言集ということも言えると思う。
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