「WWW=ワールド・ワイド・ウェブ」に引っ掛けたタイトルの「ワールド”ワード”ウェブ」。著者がウェブ上で、世界の言語と日本語の関係をつづったエッセイを1冊の本にまとめたもの。
著者の上田さんは、アメリカ・コロラド州在住で、コンピューターソフトウエアの会社に勤務しているという人。1970年生まれと、まだ35歳になるかならないか(出版当時はさらに2、3歳若い!)のお年ながら、なかなかの博識で、「へえー」というネタ、満載!
この上田さん、わたしもよく訪れるネットの掲示板「ことば会議室」(岡島昭浩さん主宰)のご常連で、おそらく、その中からいろいろ刺激を受けたのではないかと思われる。巻末の参考文献のところのネットのリンク集の1番目に「ことば会議室」が挙げてあった。
本書の中からいくつかネタを披露すると、「第1次大戦中のアメリカでは、ハンバーガ−は敵国のことばだということで、ソールズベリー・ステークと呼んでいた」とか、「クラリネットをこわしちゃった」という曲の歌詞の中の、最後の呪文のような言葉「オー、パッキャマラド、パッキャマラド」というのは、フランス語で「au
pas camarade」、意味は「友よ、歩こう」だとか(!)、とにかく、断片的な知識というよりも、言葉と言葉がつながってシナプスの絡まりあいを実感できる、そんな本だと思いますよ。 |
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