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『テレビアニメ魂』
(山崎敬之、講談社新書:2005、5、20)
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東京ムービーで「巨人の星」「新オバケのQ太郎」「ど根性ガエル」「はじめ人間ギャートルズ」「元祖・天才バカボン」など、まさに私が子供時代に見てきたアニメ・マンガを作ってきた著者の仕事を余すところなく描いた本。「アタックNO1」の主題歌の歌詞は、この人が考えたものだったそうだ!全然知らなかった!
「巨人の星」は、わが読売テレビの作品だが、当時はまだ入社していなかった(小学生でしたから)ので、当然その制作秘話などは知らなかった。
そんな中で驚いたのは、原作よりも先に行ってしまったアニメの結末をどうするかという問題が生じた時に、「最後に飛雄馬はマウンドで死ぬ」という結末を考え、原作者の梶原一騎さんにも了承を取ったにもかかわらず、当時の読売テレビの東京支社・営業の最高責任者であった「中野達雄」さん(=のちには社長から会長まで就任する大変な実力者、と記しています)の、「主人公の飛雄馬が死んでもうて、なんで『巨人の星』なんや!?」という「強い関西訛で発せられたこの言葉」で、飛雄馬は「死なない」ことになった、というエピソードが記されているのだが、「中野達雄」氏と言えば、私の入社後に社長から会長になった方。お話をしたこともありますが、決して「強い関西訛」の言葉を発することは、なかったと思う。そこにまず違和感を覚えた。そして何より、中野達雄氏が読売新聞社から読売テレビ放送へと来たのは、昭和61年。「巨人の星」を放送していた昭和40年代には、読売テレビにはまだ、いらっしゃらなかったと思うのだ。
この件に関して秘書室長のS氏、Iアナウンス部長などと話をした結果、著者は「中野曠三」氏と間違えているのではないか、ということになった。「中野曠三」氏は、当時東京支社の営業部長で、のち(昭和53年)に常務取締役になっている。私が入社する前の話だが。講談社現代新書と著者に対しては、訂正を申し入れることになると思う。
(さっそく6月9日、講談社現代新書の出版担当者に電話で事情を説明して、著者の山崎氏への事実確認をお願いするとともに、記憶違いだと判明した場合には、次回重版分から訂正していただくように依頼したとのことです。)

(星星星・・・「巨人の星」の話だから今回は☆ではなく「星」ということで・・・と書いたけど、間違いが見つかったので「星」ひとつ、減らします。)

星星
2005、6、5読了
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